釜石市議会 > 2003-12-17 >
12月17日-03号

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  1. 釜石市議会 2003-12-17
    12月17日-03号


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    平成15年 12月 定例会(第7号)           平成15年釜石市議会12月定例会会議録---------------------------------------          平成15年12月17日水曜日--------------------------------------- 議事日程第3号  平成15年12月17日(水) 定例会        午後1時会議を開く第1 本日の会議録署名議員の指名第2 市政に関する一般質問(続)  5 (1) ごみ広域処理について               11番 菊池議員    (2) 上下水道事業について                   〃    (3) 地域経済の振興について                  〃  6   市勢振興策について                22番 平松議員  7 (1) 助役の行政姿勢について              2番 小鯖議員    (2) 水産振興について                     〃    (3) 地場産業と雇用問題について                〃    (4) 道路建設について                     〃    (5) 市町村合併について                    〃  8 (1) 産業行政について                 25番 佐藤議員    (2) 道路行政について                     〃    (3) 教育行政について                     〃                                     以上---------------------------------------本日の会議に付した事件第1 本日の会議録署名議員の指名…………………………………………………………82第2 市政に関する一般質問(続)  5 (1) ごみ広域処理について             11番 菊池議員……〃    (2) 上下水道事業について                 〃  ……85    (3) 地域経済の振興について                〃  ……86  6   市勢振興策について              22番 平松議員……96  7 (1) 助役の行政姿勢について            2番 小鯖議員… 106    (2) 水産振興について                   〃  … 108    (3) 地場産業と雇用問題について          2番 小鯖議員… 109    (4) 道路建設について                   〃  … 110    (5) 市町村合併について                  〃  … 111  8 (1) 産業行政について               25番 佐藤議員… 120    (2) 道路行政について                   〃  … 122    (3) 教育行政について                   〃  ……〃---------------------------------------出席議員(25名)                 議長   平舘幸雄君                 副議長  佐藤一夫君                  1番  新里博政君                  2番  小鯖利弘君                  3番  佐々木 透君                  4番  坂本良子君                  5番  細田孝子君                  6番  海老原正人君                  7番  水野昭利君                  8番  両川敏之君                  9番  岩間勘二君                  10番  和田松男君                  11番  菊池 孝君                  12番  菅原規夫君                  13番  山崎長栄君                  14番  川崎勇一君                  15番  佐々木義昭君                  16番  小笠原多子男君                  17番  野田忠孝君                  19番  松坂喜史君                  20番  佐野金吾君                  21番  藤井修一君                  22番  平松福一君                  23番  小野寺英雄君                  24番  藤原茂實君欠席議員(1名)                  18番  秋元厚子君---------------------------------------説明のため出席した者              市長      小沢和夫君              助役      高田直和君              収入役     桑畑喜一君              総務企画部長  佐々木重雄君              民生部長    小山 士君              経済部長    佐野善次君              建設部長    伊藤昭男君              総務課長    前川公二君              財政課長    小林俊輔君              税務課長    和泉重勝君              企画課長    山崎秀樹君              清掃事務所長  臼澤良一君              商工課長    野田喜一君              水産課長    岡崎貞夫君              建設課長    福田 博君              高規格幹線                      川畑誠一郎君              道路対策課長              下水道課長   高橋清一君              市民病院                      船越 毅君              事務長              市民病院                      藤田良三君              事務部次長              市民病院                      末永正志君              総務課長              水道事業所長  佐々木道典君              教育長     塚本希之君              教育次長    尾形新悦君              教育委員会                      菊地洋一君              総務課長              学校教育課長  樋口賢一君              社会教育課長  芦萱潤郎君              体育振興課長  古川明良君              学校統合                      岩鼻 弘君              推進室長              図書館長    沖 健太郎君              学校給食                      上野厚子君              センター所長              市民文化                      栗澤 廣君              会館長              監査委員    藤原宏昭君---------------------------------------事務局職員出席者              事務局長    山崎倫昭              事務局長補佐  山下光一              議事係長    小笠原勝弘---------------------------------------                午後1時会議を開く ○議長(平舘幸雄君) 本日の出席議員は25名で定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 欠席の届け出は、18番秋元厚子君1名であります。 ただいまから本日の会議を開きます。本日の議事は、お手元の議事日程第3号により進めます。--------------------------------------- ○議長(平舘幸雄君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員には、会議規則第81条の規定により議長において1番新里博政君及び3番佐々木透君を指名いたします。--------------------------------------- ○議長(平舘幸雄君) 日程第2、市政に関する一般質問を行います。順次質問を許します。11番菊池孝君、登壇を願います。(拍手) 〔11番菊池孝君登壇〕 ◆11番(菊池孝君) 日本共産党議員団の菊池孝でございます。 初めに、今平和の問題が、大変イラクの問題が大きな焦点となっているところでございます。過日、政府は自衛隊を海外に派兵する基本計画の閣議決定をいたしました。これによりまして、年内中に航空自衛隊の派遣、そして来年の2月にずれ込むようでありますけれども、陸上自衛隊の派遣が決定をしたわけであります。日本の自衛隊が海外で実際に戦争が起きている国での海外派遣というのは戦後初めてというふうに言われております。日本の憲法は、この海外派兵を禁じているということで、まさに憲法違反であるということであります。 イラク戦争はもともとアメリカがイギリスと一緒になって起こした先制攻撃であります。大量破壊兵器があるからということで起こした戦争でありますが、大量破壊兵器はいまだに見つかっておりません。国際法上からしてもこの先制攻撃というのは認められていないところでありますけれども、今イラクの状況を見ますと、まさに治安が乱れている状況であります。テロの拡大もあります。何よりもアメリカがイラクに駐留をしている、いわゆるイラクにとどまって占領状態にあると。このことが5月の停戦宣言以来続いているわけですけれども、イラクの国民の怒りが高まっているという状況であります。ここへ自衛隊を派遣いたしますと、先般日本の外交官2人の方がとうとい犠牲となりましたけれども、自衛隊の方々のテロの標的にされる危険性が大きいということで、犠牲者が出る可能性が非常に強いというふうにも言われております。 今、この問題で大事なことは、アメリカが占領政策をやめて、そして撤退をする中で、解決の方法を国連中心とした枠組みに戻す、いわゆる軍事的に解決するのではなくて、政治的に解決していく、そういう道筋をたどっていくことは、これは国連のアナン事務総長も述べているところでありますし、私もそのように思います。日本の自衛隊の海外派兵ではなくて日本はやはり憲法の枠内で、そして民間人による人道的支援ということで行っていくのが、これが私は正しい道ではないかというふうに思っております。 それでは、一般質問に入ってまいります。 ごみ広域処理についてであります。 沿岸南部地区ごみ広域処理検討協議会が11月5日、2011年の稼働開始を目指す広域溶融処理施設の建設候補地を新日鐵が所有する釜石の平田埋立地に決めました。ダイオキシン類発生が大きな社会問題となって以来、国は90年代の後半からそれまでダイオキシン類必ずしも恐れるに足らずという楽観論の姿勢から、ダイオキシン類対策を対症療法的、緊急避難的に打ち出してきました。これを受けて岩手県は、98年度に県内を6ブロックに分けたごみ広域処理計画を立て、釜石市など3市2町で構成する沿岸南部協議会が発足をしております。 我が国のごみ問題は現在危機的状況にあると言われています。一般廃棄物や産業廃棄物の主として処理にかかわり発生するごみ問題の紛争化、ダイオキシン類の発生、施設をめぐる紛争の多発などですが、このことは増大するごみに対して基本的に施設処理、施設主義的対応に起因していると言われています。日本の一般廃棄物の焼却率は78%で、ドイツ25%、オランダが10から14%、フランス18%と比較しても高く、日本のごみ行政がいかにごみ発生前対策を怠り、施設処理に偏重してきたかということであります。 今回のダイオキシン類問題は、こういう点で日本のごみ行政への転換を図る大きな機会でもありましたが、残念ながらダイオキシン対策として連続運転の大型焼却炉を中心とし、広域化を進めているのが現状であります。廃棄物処理法は一般廃棄物処理の責任を市町村に課していますが、1947年制定の地方自治法から1970年の廃棄物処理法まで直営原則を貫いています。厚生省水道環境部編「廃棄物処理法の解説」では、より積極的に一般廃棄物の処理を市町村に義務づけたものであると、直営が原則であるとの見地を示しています。 現在、全国的に進んでいる民間委託についても、あくまでも例外措置との見地ですが、しかし、御承知のように当市を初め全国的に民間委託が主流になっているのが現状であります。今度の広域処理はダイオキシン類の発生が要因となり、補助金交付を絡ませた半ば強制的な広域処理が全国的に行われていますが、その基本となっているのが1997年1月に当時の厚生省が発表した、ダイオキシン類の緊急対策と恒久対策であります。それによりますと、人口の少ない市町村にあっては、発生するごみの量も少なく全連続炉が困難である。したがって、隣接市町村が連携して一定規模以上の全連続炉への集約化、いわゆる広域化を総合的、かつ計画的に推進することが必要であるとして、20年後に全焼却施設を全連続炉に置きかえるというものであります。 今度の南部地区のごみ広域処理計画では、1日当たり 180トンの溶融炉建設で建設費が 100億円を超えるものとなっており、いかに国庫補助があるからとはいえ各自治体の負担が大きく、市の財政を圧迫することになります。現在小規模炉でもダイオキシン類発生を国の基準以下で操業しているところもあり、なぜ運転経費の高い溶融炉を中心とした広域なのかということであります。本来ごみ処理は自治体処理が原則であり、経費を最小限にとどめるためにも、各自治体独自でごみ処理の適正化を図るべきであると思いますが、見解をお伺いいたします。 次に、ごみ減量化と溶融炉の関係であります。 現在、全国的にごみは微増となっており、産業廃棄物は年間4億トンと、一般廃棄物の年間5000万トンの8倍となっている中、産業廃棄物については減少傾向にあります。これは企業責任として発生抑制をし、金がかからないようにしているからと思われます。今回のごみ広域化による各自治体の1人当たりのごみ排出量を比較すると、当市が断トツに多く、ごみ減量化が進んでいない状況となっていますが、これは何でも燃やせる溶融炉方式によるものと思われます。 御承知のように2000年に循環型社会の形成の推進のための法律ができ、全自治体の合計で2010年には97年比で5%のごみの発生を削減するというものでありましたが、実際にはごみは減っておりません。これは実現のために不可欠な各自治体のごみ減量計画が立てられていないからだと言われています。溶融炉はごみを必要とするものであります。しかし一方で、ごみ減量は時の流れであり、将来は確実に、ごみは減量化の方向に進むと見なければなりません。将来を予測したごみ減量とごみを必要とする溶融炉方式の矛盾をどのように考えているのかお聞きします。同時に、リサイクルを含めたごみ減量化をどのように考えているのかお聞きします。 ごみ広域処理では、事業主体が問題となってきますが、計画では一部事務組合方式、広域連合、第三セクター、PFIなどが考えられています。その処理体制の基本は各自治体の事業費の上昇が生じない事業手法、民営化や産業廃棄物との共同処理などの可能性を考慮するとしています。エコタウン事業でも一般廃棄物と産業廃棄物の混合処理をうたっていますが、一般廃棄物は行政が、産業廃棄物は排出者が、自分で処理する基本原則を根底から崩すことになります。溶融炉での一般ごみは今後減少傾向にある中で、ごみの必要量確保のためやエコタウン事業から出る産業廃棄物を処理するためと考えられますが、もともと産業廃棄物は自治体に負担をかけない企業の責任で処理するものと言われる中で、公営では企業の負担を肩代わりすることになります。事業主体としてどの方式を採用するにしても、混合処理による税金投入の可能性が大となっていますが、現時点でどのように考えているのかお伺いをいたします。 次に、上水道料金の改定についてであります。 市は今議会に上水道料金の値上げを提案いたしました。水道料金は 22.03%、1世帯でおよそ400 円増となり、下水道は15.4%で1世帯平均 380円増となります。値上げ改定の理由として、上下水道とも施設の老朽を挙げています。水道施設は30年以上経過して老朽化が進み、八雲系送水管を初めとする送水管布設がえ、老朽配水管、配水施設、未普及地域解消、給水管布設事業などで、約48億4000万円の事業費を見込む中、平成20年度までの5年間で緊急度の高い事業、22億5000万円を料金改定の大きな根拠としています。 また、水道料金のあり方として事業の能率的な経営を前提とする限り、給水に要する一切の原価を償うものでなければなく、給水原価を無視した低料金は水道事業の健全な発展はもとより、現状の維持さえも困難にするばかりでなくとして、現行地方公営企業法の基本的な考え方として、水道事業の企業会計の受益者負担を前面に押し出しています。確かに地方公営企業法では、上水道事業の経費は料金で賄うという独立採算原則が義務づけられ、一般会計からの繰り出し、いわゆる税金の投入は厳しい制限が加えられています。しかし、水道事業の普及率が90%を超す状況の中で、受益者負担のみで事業を賄うのは無理があり、本来は税金を投入すべきであり、住民サービス事業は所得再配分の徹底という財政原則に立った計画をつくるべきではないでしょうか。 現在小泉政権のもとで社会保障がどんどん後退し、消費税を初めとする増税攻勢のもとで、国民に痛みが押しつけられ、先行き不透明の状況となっています。当市も地域経済が疲弊し、市民の所得も減少にある中で、上下水道の料金が値上げされることは、滞納者を一層増加させることになります。市民生活の現状をどのように把握し、料金値上げに踏み切ったのかお伺いします。 下水道事業も使用料改定の理由として、老朽化した施設の維持管理費の増加や更生事業費の増加に伴い、下水道事業の健全な経営を目指し、下水道使用者に応分の負担を求めるとしています。下水道事業は特別会計として独立採算性がとられる中、今までも一般会計からの繰入金で使用者の負担軽減を図ってきました。しかし、現在の使用料収入では一般会計繰入金が年間3億3000万円強になるとして、市の財政運営に支障を生じさせないために料金値上げをするというものであります。 下水道事業の普及率はおよそ50%で、水洗化率は79.7%で推移してきていますが、使用料の値上げは今後の水洗化率にも大なき影響を与えるものと思われます。過去に3億円台の一般会計からの繰り入れがされてきた経過もある中、下水道事業普及のためにも値上げは見合わせるべきと思いますが、見解をお伺いいたします。 最後に、地域経済の振興についてであります。 現在、雇用と地域経済がどこでも深刻となっております。その背景には日本の大企業が安価な労働力、工場用地、エネルギーなどを求めて地域から撤退し、中国、東南アジアへと生産拠点を移転させる多国籍企業化と国際的産業再編成への道を歩んできたからであります。 政府は、こうした大企業財界の戦略を支援するため、独占禁止法の緩和による純粋持ち株会社の解禁、産業再生法によるリストラの促進、不良債権処理の加速など、さまざまな政策を展開してまいりました。また、財政難を理由にした国民負担増、大規模開発の浪費は続けながら、公共事業を地方で削減し、大都市部に集中させるやり方も地域経済に重大な影響を与えています。 こういう中で、今全国の自治体に雇用と地域経済を守る新しい流れが出てきております。少なくない自治体が、雇用と地域経済に責任を持たねばならないと考え始めていることも新しい特徴と言われております。全国の自治体首長に、今後10年間に取り組みたい政策課題は何かと質問したところ、第1位で最も多かったのが農林水産業や中小企業対策を含めた産業振興だったという調査もあります。現在どの自治体でも公共事業依存、大企業誘致という従来のやり方が行き詰まる中で、豊かな自然、人々の持つ技術や技能、あるいは地場産業や中小企業など、地域の資源を生かした経済活性化に模索と苦労を重ねながら、挑戦しているのが共通した特徴となっています。 この地域の資源を重視することは、世界では大きな流れとなっていると言われています。多国籍企業が雇用切り捨て、国際的規模で有利な地域に資本を投下する行動をとることに対比し、中小企業が特定の地域や特定の社会階層、特に社会的に弱い立場の人々の生活と雇用を安定させる重要な役割を担っているとの認識のもと、ILOは1998年に中小企業の発展と雇用確保のための勧告を採択しています。 当市は、平成元年の新日鐵の高炉休止以後、誘致企業や新規事業で4000人の雇用を創出したと言われております。しかし、その後も人口減少に歯どめがかからず、現在県下一の人口減少の道をたどっています。平成18年完成予定の港湾施設や新仙人道路などが地域経済活性化の追い風になると待望されておりますが、これらの条件を生かすためにも地域の資源を生かした経済活性化策を模索していくことが大事だと思います。自治体の先進地では行政が住民の声と知恵を広く集め、住民とともに地域経済、産業活性化のビジョンと政策を練り上げています。例えば高知県本山町では 150人委員会で2年間の調査研究を行い、産業振興策をまとめていますし、岩手県紫波町では町民から公募した 100人委員会で3年間、ワークショップ形式などで議論を重ね、環境と福祉のまちづくり、地産地消などの基本方向を打ち出しました。紫波町の町長は、コンサルタント会社に頼めば計画はもっと早くできるが、それではうまくいかないとして、この委員会をつくったということであります。 当市はコンサルタントへの委託が余りにも多く感じますが、期間をかけた住民の英知を結集する、このような取り組みを考えていくべきと思いますが、お伺いをいたします。 同時に製造業、商業、農林水産業などの地域経済、産業の本腰を入れた実態調査が必要と思います。今までも実態調査は行われてきたと思いますが、零細業者を含め、長期間かけた調査で当市の地域経済の実態を明らかにしていく中で、施策が生まれるのではないでしょうか。東京都の墨田区や東大阪市などで先進的な経験がなされていると言われます。本腰を入れた地域経済、産業の実態調査の必要性をお伺いをいたします。 以上で壇上からの質問を終わり、再質問は自席から行いたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(平舘幸雄君) 市長。 〔市長小沢和夫君登壇〕 ◎市長(小沢和夫君) 菊池議員の御質問にお答えいたします。 水道料金の改定についての御質問でありますが、当市の水道事業は昭和28年10月の給水開始から本年で50年を迎えましたが、この間五次にわたる拡張事業を実施するなど、安全で良質な水道水の安定供給に努め、普及率は平成14年度には92.7%となり、県平均90.5%を上回る状況となりました。 また、昭和60年4月の料金改定からこれまで人員削減、業務の一部民間委託など、維持管理経費の徹底した削減等の企業努力により18年間健全経営を維持してまいりました。しかしながら、釜石上水道八雲系送水管を初めとする主要施設の多くは、創設時から昭和40年までに整備され、既に30年以上を経過し老朽化が進み、特に送配水管は総延長 233.1キロメートルのうち、75.4キロメートルが老朽管で、これが原因の漏水事故や濁り水が多発しております。 また、水道経営状況の判断指標の一つであります総配水量に対する料金収入割合、いわゆる有収率も県内13市平均の 82.97%を下回る 79.43%と運営効率が非常に悪く、老朽施設の早期改修が必要な状況となっています。 さらに大規模地震や台風来襲など、自然災害発生に備えた施設強化や、年々強化される水質基準に対応した施設整備も急務となっております。このためすべての水道施設について再点検を行い検討した結果、平成25年度までに実施する必要がある事業費の総額は45億4000万円となっております。特に釜石上水道の生命線である八雲系送水管布設がえなど、老朽施設更新事業や施設管理区分上、他市町村の多くが利用者負担で行っています鉛給水管布設がえの市負担での実施など、22億5000万円分の事業については、平成20年度までに重点的な取り組みが必要な状況であります。 しかし、水道事業会計は、給水人口の減少や管理費用の増加により、ここ数年収益が急激に落ち込み、施設改修資金の確保が困難となっております。このような状況から利用者の皆様に応分の負担をお願いすることとし、今定例会に関係給水条例の改正を提案いたしているところであります。 議員の申されます独立採算を原則とする水道事業にあっても税金を導入し、利用者負担の軽減を図るべきについてでありますが、地方公営企業法の適用を受ける水道事業は、一般会計を含む他会計からの負担金、補助金項目は、高料金対策経費、災害復旧など特別の場合に限られており、現在の水道事業の経営状況では対象は消火栓に要する経費のみとなります。したがいまして、現有水道施設の改修等は対象外であり、これによる利用者負担の軽減はできないものであります。 市民生活の現状をどのように把握して料金改定に踏み切ったかとの御質問ですが、日本経済は幾らか明るさが見えてきたとはいえ、依然厳しい状況にあることは承知していますが、布設の改修強化を早急に行わなければ、近い将来、市民生活に大きな影響を及ぼす事態を招く状況の発生が非常に心配されることから、料金改定が必要との結論に至ったものであります。 当市の料金水準は、一般用20ミリ管で、当市の1カ月平均使用水量16トンを県内13各市の料金で算定比較しますと、当市の現行料金では1880円で、13市中平均を 960円下回り最も安価で、改定でも2280円と 400円の負担増となりますが、13市平均を 560円下回り、13市では3番目に安価な料金が維持される内容となっておりますので、料金改定の必要性について御理解賜りますようお願いいたします。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き関係部長が答弁いたしますので、御了承願います。 ○議長(平舘幸雄君) 総務企画部長。 〔総務企画部長佐々木重雄君登壇〕 ◎総務企画部長(佐々木重雄君) 私からは、地域資源の活用と住民英知の結集による経済活性化策についての御質問にお答えをいたします。 当市では、平成18年度に完成及び概成が予定される仙人峠道路や港湾整備などによる物流機能の向上を見据え、 140年を超えるものづくり文化によって培われた技術や人、地域資源を生かし、市民、事業者、行政の連携を基盤とするエコタウン事業の推進など、新たな産業の創出に向けた取り組みを展開しているところでございます。 こうした中で釜石商工会議所が中心となり、地場企業と県内自動車関連企業が自主的に連携して、協同組合岩手オートリサイクルセンターを設立したところであります。この取り組みは厳しい経済情勢の中で、市民、事業者、行政が一体となって知恵を出し合い、新たな雇用の創出やまちづくりに取り組む先導的な事例であり、協同組合が進める使用済み自動車リサイクル事業は、当市が推進しているエコタウン事業の一翼を担うものと期待しているところであります。 また、釜石・大槌地域産業育成センターと地場企業が連携して検討してまいりました、プラスチック廃棄物のリサイクルでも、平成15年10月に地場企業7社による協同組合が設立されたほか、今後医療用材料として市場性が見込まれますコバルト基合金をベースとした生体材料など、民間発意による地域経済活性化に向けた動きが活発化しているところであります。 当市のまちづくりにおいては、市民、企業、行政が同一の目標を掲げ、その実現に向けて努力することが肝要でございますが、その道しるべとなるのが第五次釜石市総合計画と認識いたしております。 この総合計画の策定に当たりましては、一般公募委員も含む審議会に諮問し、審議、答申をいただくとともに、並行してまちづくりシンポジウムや各地域でのまちづくり座談会、アンケート調査を実施するなど、まさに市民の声と知恵を活用し、市民と行政、議会が一体となって作成したものであります。 総合計画は、基本構想が平成12年度から22年度まで、基本計画は平成17年度までの6年間が前期計画となっており、平成18年度からの後期計画は、前期計画の進捗状況や時代の変化、新たな課題等に対応し、策定する予定といたしております。後期計画の策定に向けしましては、平成16年度から現状の把握や分析を基本とする作業に取り組むこととしておりますが、策定に当たっては、一般公募委員を含む30人程度の委員で構成する総合振興審議会での審議、検討はもちろんのこと、市内各地で開催しております市政懇談会も積極的に活用しながら、市民の声と知恵を計画に反映させてまいりたいと考えております。 ○議長(平舘幸雄君) 民生部長。 〔民生部長小山士君登壇〕 ◎民生部長(小山士君) 私からは、まずそれぞれの自治体独自でごみ処理の適正化を図るべきではないかとの御質問にお答えをいたします。 ごみ処理の広域化につきましては、平成9年に当時の厚生省が示したごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン、いわゆる新ガイドラインに基づいて進めております。この広域化の背景には、ダイオキシン類を初めとする環境保全対策、焼却後に生じる残渣の高度処理、最終処分場の確保、リサイクルの推進、公共事業のコスト縮減のほか、全連続炉の設置のねらいがあります。ごみ処理を各自治体が独自に行うためには溶融施設はもちろんのこと、保管、破砕、再資源化などの施設のほか、最終処分場も整備しなければなりません。また広大な敷地の確保と、これらの施設に従事する職員も配置する必要があります。 このようなことから、沿岸南部地区の3市2町では、平成10年度からごみ処理のあり方について協議してまいりましたが、連携を深めながら共同処理することによって、ごみ処理経費の大幅な削減が図られ、構成市町の負担も軽減されるとの結論に達したものであります。なお一般的に従来型と呼ばれる焼却方式は、大量に排出される焼却灰を減量化する必要があることから、灰の溶融施設を併設しなければならないことや処理系統も複雑になるため、施設の建設や運転経費においても、次世代方式と言われる溶融方式と比較して特段の差はないと伺っております。 次に、リサイクルやごみ減量化の方向性が見られるのになぜ溶融方式なのか、またごみの減量化をどのように考えているのかとの御質問でありますが、平成12年度の釜石市の1人1日当たりごみ排出原単位は1336グラムで、岩手県平均の 913グラムを上回り、県内で最も高い数値を示しております。 この要因として考えられるのは、高齢世帯や地形などを考慮して、ごみの集積場所を多く設置し、粗大ごみを収集するなど、きめ細かなサービスを実施していること、ごみ量のほぼ4分の1を占める生ごみの再生利用が進まないことなどが挙げられます。このため昨年度から職員による出前講座に加え、ごみ座談会を開催して分別や減量化を呼びかけたところ、この1年間でごみの量が8%減少するとともに、全体に占める資源ごみの割合が52%増加し、溶融するごみの量が減少するなどの成果があらわれております。したがって、このような取り組みを継続し、住民、事業者、行政のそれぞれの責務とパートナーシップのもとに発生抑制、再使用、再生利用を進めながら、総体的なごみの減量化を目指すものであります。 また、ごみの減量化と溶融方式の矛盾をどのように考えているのかとの御質問でございますが、溶融方式を採用する主な理由としては、ダイオキシン対策のほか、ごみの減量化が20分の1と大きく、スラグもすべてリサイクルされ、最終処分場が延命化されるなどであり、リサイクルや減量化の理念に即し矛盾を生じるものではないと考えております。 次に、産業廃棄物との混合処理に際して市税の投入が考えられるのではないかとの御質問でありますが、産業廃棄物の処理については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律でも、いわゆる合わせ産廃という形で処理することができることとされております。当市においても釜石市廃棄物の処理と清掃に関する条例に基づき、産業廃棄物処分費用を排出業者から手数料として徴収し、一般廃棄物の処理に支障のない範囲において、合わせ産廃を行ってきたところであります。 沿岸南部地区では小型焼却炉の廃止や産業廃棄物処理業者の縮小、撤退などから、事業系ごみが大幅に増加の傾向にあり、内陸部の産業廃棄物業者で適正処理するためには多額の費用を要し、苦慮している状況であり、市内の企業からも清掃工場での処理を求める声が寄せられております。沿岸南部地区ごみ処理検討協議会では、このような実態も踏まえ、地域において処理が困難となっている漁業系廃棄物や災害時等によって発生した廃棄物の処理についても検討を進めております。このことによって溶融施設の稼働率を高め、ひいてはごみ処理コストの低減、すなわち一般財源の投入を最小限にとどめようとするものであります。 ダイオキシン対策を端緒としたごみ処理の広域化でありますが、去る12月5日、「ダイオキシン類の排出量の目録」が環境省から発表されております。それによりますと、平成9年度に毒性等価換算濃度で7680から8135グラムあったものが、平成15年度には 690から 756グラムになると推計され、平成9年対比で約90%削減されると記されております。 なお、当市清掃工場では、平成9年度のダイオキシン類の総排出量が 0.233グラムであったものが、平成14年度には0.0076グラムと、平成9年度対比で約97%減少しております。このことはごみ処理の広域化を初めとするダイオキシン対策が確実に進展していることを如実にあらわしているものであると存じますので、御理解賜りますようお願いいたします。 ○議長(平舘幸雄君) 経済部長。 〔経済部長佐野善次君登壇〕 ◎経済部長(佐野善次君) 私からは、地域経済、産業の実態調査の必要性についての御質問にお答えいたします。 昨今の激動する社会経済情勢の中におきましては、特にも地場産業の実態を的確に把握した上で施策に反映させていくことが重要であり、市や関係機関ではそれぞれの産業分野での実態調査を行っているところであります。 まず、工業についてでありますが、当市では地場企業の業務内容、主要取引先などの会社概要のほか、市政に対する意見、要望などを把握すべく、製造業を中心として企業訪問を積極的に行っており、平成14年度企業訪問結果報告書を作成しております。 また、釜石地方振興局におきましては、釜石・大槌地域の工業の実態を把握するために、昨年3月に釜石・大槌地域工業資源発掘調査事業報告書を作成しております。これは管内企業の外注状況、エコタウン事業への関心度を中心にして実態調査を行ったもので、地場企業と誘致企業の交流実態や仕事の配分状況、課題等が浮き彫りとなっております。このほか釜石・大槌地域産業育成センターにおきましても、釜石・大槌地域企業データベースを作成しておりますが、この中では地域内 125社のさまざまな企業情報が記載されており、各企業間における受発注促進や業務提携などに活用されております。 次に、商業の実態調査でありますが、商工業者の指導的役割を担っている商工会議所においては、経営動向調査や景気動向調査などを実施しておりますし、釜石TMO構想の推進においても商業者との懇談の場を設け、商業活性化に向けた意見交換などを実施しており、市もこれらの会議などに参加しております。その中である程度商業者の実態などを把握しております。また、中小企業団体中央会においても商店街振興組合への指導・調査権に基づく調査などを実施しております。 市といたしましては、これまで直接商業者の方々の実態調査を行ったことはございませんが、商店街振興組合や任意の商店街の方々から可能な限りの情報収集を行っております。また、振興資金など制度資金の相談を通した情報収集を行うとともに、金融関係者との懇談会、さらには企業懇談会などに参加し、これらの情報収集をもとに商業者の方々の実態把握に努めております。今後は商業者への指導・調査の中心的役割を果たす商工会議所と連携をとりながら、必要に応じて対応してまいりたいと存じます。 次に、農業についてでありますが、平成12年に釜石農業改良普及センターを中心に、関係機関・団体の協力により、主業型農家のデータベースを構築し、毎年これを加除しながら活用しております。また、本年度からは釜石市農業経営改善支援センターに農業経営指導マネジャーを設置し、データベースにはあらわれてこない部分の把握に努めております。 また、林業の実態については、森林組合が事業を実施している各種事業報告で、おおむね把握できますが、詳細については岩手県が出版している岩手県林業動向年報で把握しております。 次に、水産業においては、5年ごとに行われる漁業センサス、毎年1月1日を基準として調査される漁業経営体調査、11月1日を基準として行われる漁業就業動向等調査に関する統計調査があります。この結果は岩手県で毎年発行している岩手県漁業の動きにまとめられており、市としては振興策や漁業の実態を把握するための資料として活用しております。 また、各種振興策を講じていく中で、漁業者や漁協との協議や情報交換等を通して、水産業の実態の把握に努めているところであります。 市といたしましては、今後とも地域産業の実態把握に努めるとともに、各関係機関と連携し、産業経済の活性化に向けて実情に即応した支援策を講じてまいりたいと存じますので、御了承を願います。 ○議長(平舘幸雄君) 建設部長。 〔建設部長伊藤昭男君登壇〕 ◎建設部長(伊藤昭男君) 私からは、下水道使用料の改定についての御質問にお答えをいたします。 当市の下水道事業は、昭和32年から下水道管の布設を開始し、昭和53年には大平処理場が供用開始、昭和55年には上平田下水処理場が供用開始し、処理区域を拡大しながら、今日に至っております。 建設から四半世紀以上が経過した各処理場、ポンプ場、並びに管渠、下水道管は更新が必要不可欠な時期になっており、この解決のために3つの更新事業を実施、並びに計画しております。 1つ目は、各処理場、ポンプ場の更新事業です。本事業は平成13年度に事業着手し、平成21年度までの予定で、機械・電気設備の更新事業を実施しております。 2つ目は、合流式下水道の改善事業です。中妻排水区85.4ヘクタールのうち、37.5ヘクタールは汚水と雨水を同じ管に流す合流方式をとっております。現行のままでは処理場機能を低下させ、かつ雨天時には甲子川の水質を悪化させる原因となっておりますので、本年度は現状分析のためにモニタリング調査を実施し、平成16年度には改善計画の策定、平成17年度より平成21年度までの予定で施設整備工事を計画しております。 3つ目は、釜石排水区、浜町・東前地区の下水道管の更新事業です。この地区の埋設管は昭和30年代初めから40年ごろに布設したもので、海水や地下水の浸入が著しく下水量の増大を招き、ポンプ場、処理場の維持管理に大きな負担を与えておりますので、管更新工事を平成16年度より平成22年度までの予定で実施します。 以上、大規模な改修3事業は、当市の下水道事業にとりまして緊急不可欠のものであり、避けて通ることのできない事業であります。この事業が完了いたしますと、処理場、ポンプ場のランニングコストの軽減が期待されます。しかし、平成10年度改定の現行使用料金のままですと、年々一般会計繰入金が増加することとなります。 大平処理場の更新工事に補助事業を導入する以前は、一般会計繰入金が年間3億円を超えた時期もありましたが、年々市税収入が落ち込み、現行使用料のまま安易に一般会計からの繰り入れ金額を増加させることは、公共下水道の使用者と未使用者との間における公平さを欠くばかりではなく、一層財政の硬直化を招き、市民生活に大きな影響を与えることとなります。 このことから、今後の下水道事業の健全な経営を目指すために、汚水にかかる処理費用とこの3事業にかかる費用の一部は、汚水を排出する原因者負担として、下水道使用料で賄う必要があります。このような理由により下水道使用者の皆様に応分の負担をお願いするものです。改定内容は平均で15.4%の引き上げ、基本料金10立方メートルまでは現行1100円を1300円に、3人家族の平均世帯、使用水量18立方メートルの御家庭では、現行2160円を2540円に改定するものであります。なお、下水道の普及に関しましては、本年4月より私道にも公共下水道を布設できるよう要綱を制定し、要望のありました5カ所の工事を実施し、水洗化率の向上を図っております。 下水道事業は供用開始いたしますと、施設の維持管理、更新、管布設の面整備を同時進行で行わなければならない事業でありますので、これからも計画的に事業展開をいたします。よろしく御理解賜りますようお願いいたします。 以上をもちまして答弁を終わります。 ○議長(平舘幸雄君) 菊池孝君。 ◆11番(菊池孝君) それでは、再質問に入ります。 最初に、地域経済の振興についてであります。 当市は、平成元年の高炉休止以後、地域経済が大変疲弊した状況となっているわけでありますが、きのうも鉄と魚のまちと言われてきた中で、鉄が後退して1次産業を何とか支援してほしいということが出されておりますけれども、私も全く同感でございます。1次産業、漁業、それから農業を含めて、それから中小企業、中小業者の皆さん、商店街の皆さん、どう再興していくのかということが問われていると思います。 大体年間で 600人ほどの人口減少が起きておりまして、県内で一番というふうに言われているわけでありますから、人口減少がどんどん進みますと、御承知のように商店街の売れ行きもできませんし、また鉄の後退によって下請けの方々もどんどんいなくなる、仕事がなくなってくるということであります。若い方々の雇用もないという、こういう現状をどのようにかして打破していかなければならないと思うんですが、答弁の中では総合計画、30人規模で計画を立ててきたということでありますけれども、この総合計画は12年度から22年度ということでありますから、およそ11年間、そして前期計画は17年度までということでありますから、現在4年目ということになるかと思いますが、この現状をどのように打開していくかという点で、私は 100人委員会ということ、また 150人委員会で市民の英知を結集すべきではないかということを述べたわけでありますが、それでは再質問といたしまして、総合計画でこの現状を打開できるのかどうか、その見通しはどうなのかということを最初にお伺いをいたします。 ○議長(平舘幸雄君) 企画課長。 ◎企画課長(山崎秀樹君) 現状を打開できる見通しにあるのかと、2年間での現状を打開できるのかという御質問でございますが、「人と技術と輝く海と緑の交流拠点」ということで策定いたしました総合計画前期基本計画におきましては、各分野別の詳細にわたる施策の方向を示す一方で、主要事業として 130の事業を位置づけております。平成14年度現在で約9割のその主要事業の着手を見ているわけですけれども、まだまだ今置かれている課題が山積するものに対して、すべてに打開できるような状況に至っているというところにはまずないということは事実だろうと思います。 ただ、このような中で、私たち今現在置かれている17年度までの前期計画というよりも、それから先の部分について、私たちとしては今の厳しい状況を十分に理解しつつも、その一つ一つできる限りの課題の解決に向けて努力することが一番肝要ではないかなというふうに考えております。特にも議員がお話しされましたような雇用の場の拡大、それからその他福祉施策の充実等、かなりの分野での課題がございますので、それらについて厳しい財政状況の中で事業の優先順位、あるいは重点性に配慮いたしまして、有効な施策の展開を図りたいというふうに考えております。 ○議長(平舘幸雄君) 菊池孝君。
    ◆11番(菊池孝君) 総合計画の中ではなかなか現状を打破するということは難しいようでありますけれども、かつて地域経済というのは企業が中心となって栄えてまいりました。しかし、このように不況が長引いてきますと、行政の役割というのは非常に大きいと思うんですね。ですから、先進地を私は学んでいくべきだと思うんです。そういうところをいろいろと研究をして、私は9月議会でもこの問題、地域経済の振興ということで、3つほど提言をいたしましたけれども、他の議員さんからもいろいろと出ているわけでありますけれども、先進地をまねながら、また釜石独自の施策もあろうかと思いますが、現状をしっかりと分析しながらやっていくことが私は大事なのではないかというふうに思います。 時間がありませんので、次に水道料金、下水道料金の改定について御質問をいたします。 私は、今度の上水道、下水道とも、こういう機械の更新とか布設がえ、いわゆるインフラ整備と言われますライフラインという基盤整備、これには反対しているわけではありません。これは大事なことでありますので、生活基盤をしっかりつくっていくということで大事なことであります。 問題はその財源をどこに求めるのかということであります。地方公営企業法ではということで、答弁の中では一般会計からの持ち出しが困難であると、特別の場合に限られるということを言っておりますが、それでは伺いますけれども、地方公営企業法ではなぜ水道事業を企業会計としているのか、まずこのことをお伺いいたします。 ○議長(平舘幸雄君) 水道事業所長。 ◎水道事業所長(佐々木道典君) それでは、水道事業が公営企業の中でなぜ組み入れられているのかという御質問にお答えいたします。 地方公共団体の経営する企業は、公共の福祉の増進を図ることが使命と言われております。さらに水道事業には企業としての性格も有しております。したがいまして、能率的、合理的な経営によって独立採算制に徹するべきという理由から、公共性と独立採算性の調和が図られた運営の確保が必要だということで、公営企業法が制定されております。したがいまして、水道事業は地域住民の皆さんに低廉で適正なサービスを提供するという公共性と、サービスの対価である料金をもって運営するという独立採算制を兼ね備えた事業でございますので、対象とされたものでございます。 ○議長(平舘幸雄君) 菊池孝君。 ◆11番(菊池孝君) 問題は、私はやはりこの受益者負担だということだと思うんですが、なぜこういう公共料金が受益者負担というふうに強まってきたかということは、臨調の基本答申が出ましたのが82年度でありました。そして88年度に全国で使用料、手数料、この収入が33.4%増加しているということが過去にあります。そして、その同じ年に国庫支出金収入が 9.8%減っているんです。ですから、国の主導でもって公共料金は受益者負担ということで、国の主導が強まってきたという歴史があるわけであります。ですから、本来のインフラ整備と申しますか、ライフラインを整備する、いわゆる生活基盤を整備するということになりますと、これは今までも税金をつぎ込んできたわけでありますから、私は今の地域経済を考えて、本当に4万円から5万円ぐらいの年金で暮らしている方はたくさんいるわけでありますから、私は基本に返るべきではないのかというふうに思います。これは意見であります。 時間がほとんどありませんけれども、ごみ広域処理について質問をしたいと思います。 ○議長(平舘幸雄君) 11番議員に申し上げます。2分です。 ◆11番(菊池孝君) 2分。あ、そうですか。協議会では平成16年度に事業主体を立ち上げるとしております。問題は事業主体をどのようにするのかということが重大なことでありますけれども、公設公営とか公設民営、民設民営など、いろいろとあるかと思います。そういう中でも先ほど壇上で述べましたように、PFI方式とか第三セクターとかいろいろあるんですが、ただ計画の中では民営化ということが基本になっているようであります。 平成15年度、今年度から推進室設置を図るということになっておりますけれども、その進捗状況はどのようになっているのかお伺いします。 ○議長(平舘幸雄君) 民生部長、簡潔に答弁願います。 ◎民生部長(小山士君) お答えします。 議員からの今のお話でございます。推進室の進捗状況はどうかという御質問でございますけれども、協議会の内部に釜石市のほか、大船渡市、それから陸前高田市からそれぞれ職員を派遣いただきまして推進室を設置しました。 推進室の業務といたしましては、建設候補地の選定のほかに事業手法、それから事業範囲、収集運搬などの費用負担のあり方を現在検討しております。このうちで最も基本となる建設候補地につきまして、去る11月平田埋立地を決定いたしました。その他については引き続き現在検討しているところでございます。 ○議長(平舘幸雄君) 11番菊池孝君の一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(平舘幸雄君) 次に、22番平松福一君、登壇を願います。(拍手) 〔22番平松福一君登壇〕 ◆22番(平松福一君) 私一般質問は大体4年に1回やるわけですが、今回小沢市長さんは、今春行われました第19回釜石市長選挙におきまして、数多くの企業及び団体等の御推薦をいただきまして、8人目の市長として見事初当選されたわけでございます。 小沢市長は、私から言わせていただくならば2代目の沢田権左ヱ門市長以来、初めて市内に数多く関連会社を有する企業経営者であるわけであります。その小沢市長が「いきいき釜石、元気な釜石」をキャッチフレーズとし、当選されたわけでございますが、その当選の初インタビューの際には、行政執行に当たっては企業経営感覚を導入し、当市の有するあらゆる可能性を活用しながら、生き生きとしたまちづくりに努力しますので、市民の皆様方の御協力をお願いします。釜石を愛してくださいというふうなことを言っておられましたね。 そこで、市長に生き生きしたまちづくりとは何を、どのようなものを基本としてお考えになっておられるのか、お伺いするのでありますが、その前に私から、私が見た釜石の実情を申し上げまして、市長の所見をお伺いいたします。 各自治体の実情を示すさまざまな統計諸表があるのでありますが、それらをもちまして私がいつでもここで申し上げますお隣の宮古市、そして大船渡市と、それら等を比較してみますというと、製造品出荷額、預貯金残高、市民所得、それらはすべて宮古、大船渡市を上回っております。特に1世帯当たりの貯蓄残高は宮古市の 700万円に対し、釜石市民は1600万円余、約倍近くあるわけでございますが、しかしながら、その反面、事業所数、就労人口、それらは総人口の少ない大船渡市よりも少ないという状況にあるわけであります。 これらをまた数字で示しますというと、県内13市のうち、人口におきましては釜石が7位で、宮古が6位です。それで製造品出荷額が釜石が6位で、宮古が8位、市民所得が釜石が8位で、宮古が11位となっているね。ちなみに久慈市の市民所得が釜石よりも上で6位となっております。そして事業所数が宮古が3115、大船渡市が2870、釜石が2790、そして就労人口は釜石が2万1422人、大船渡市が2万2646人となっております。そしてまた15歳から45歳までの人口、これは釜石が1万3487人で、大船渡の方は1万4609人となっております。 そしてまた、そのまちの将来を占うであろう新生児数、これもまた総人口の少ない大船渡と我が釜石では大体同じくらい。多少違いまして大船渡が4人ばかり少ないと、そういった状況にありますが、このような状況に対し、市長はどのようにお考えておられますか、所見をお尋ね申し上げます。 次に、自治体収入の柱とも言えます自主財源についてお伺いします。 その自主財源のもととなる固定資産税についてお尋ねいたしますが、固定資産税のうち、土地の分につきましては、DIDの面積が釜石は約 600万平米あるわけであり、宮古市は 480万平米、ですが収入税額から見ますというと、面積の少ない宮古市の方が釜石よりも多いと、そうなっておりますが、その辺の要因についてなぜそうなのかお伺いいたします。 そしてまた、このDIDの中で大体 283号線沿いの方々は、私の知っている限りにおきましては、坪当たり約1000円程度の固定資産税を負担しているというふうに私は聞いているわけでございますが、その辺の実態について、特にもせんだって9月の議会におきまして話題になりました新日鐵の土地等については、この間はいろんな話がありまして答弁があったわけでありますが、その辺に法律上の問題等々もあるでしょうですが、その辺についても詳しくお聞きいたしたいと思います。その上で、まちづくりの基本ともなります自主財源のあり方についてどのように考えておるのかお尋ねをするわけでございます。 次に、雇用の場の創造についてお伺いいたします。 私は雇用の場の確保とは申し上げません。創造についてでございます。前段申し上げましたように、当市にはさまざまな良好な要因がありながら、経済活動がこのように落ち込んでいるという状況があります。特にも貯金残高が人口6万有余を有する一関市に匹敵するだけの預金残高がありながら、このまちはなぜか落ち込んでいるということについて、その辺に対しまして、市長が言う釜石が持つ可能性を活用したまちづくりというものが、私はそれがもし実現できるとするならば、私から言うならば、10年後の釜石は総人口が5万人を優に超えまして、そして大槌町との合併等ができまするならば、合併効果もあわせまして、人口7万人を超える文字通りの三陸沿岸の拠点都市となることは可能であるというふうに私は思います。 市長の夢のある答弁を期待しまして、壇上からの質問は終わります。再質問は答弁を聞きながらやりますので、よろしくお願いします。 以上で終わります。(拍手) ○議長(平舘幸雄君) 市長。 〔市長小沢和夫君登壇〕 ◎市長(小沢和夫君) 平松議員の御質問にお答えをいたします。 まちづくりの基本についての御質問と雇用の場の創造についての御質問でございますが、長引く国内の景気低迷の中で、当市の地域経済も低迷し、中心市街地には空き店舗が目立ち、新卒者と生産年齢層の流出も続き、人口減に歯どめがかからない深刻な状況が続いております。 こうした中で議員御提言の他市との経済状況比較も、当市の経済情勢を把握し、まちづくりを進める上で重要であると存じます。製造業を中心とした当市においては、企業誘致等による産業複合化も相まって、製造品出荷額や卸小売額、市民所得、1世帯当たりの貯蓄残高等は宮古市や大船渡市よりも高く、潜在的な経済力や可能性は大きなものを持っていると考えます。しかし一方で、事業所数や就労人口、15歳から45歳人口が宮古市、大船渡市よりも少ないという現状は、雇用の場の拡大が大きな課題であることを示していると思われます。 このような状況の中で、まちづくりの基本として釜石が持っている潜在的な力や民間活力を引き出し、活用し、地場産業・企業の振興育成を図りながら、雇用の場を創造していくことが重要であると考えます。厳しい雇用情勢に対処するため、市といたしましても、現在策定中の総合雇用対策において、雇用創出や融資制度などのセーフティーネットの充実、産業支援などについて取りまとめを行っております。 市の平成16年度予算編成方針においても、雇用対策及び将来的な雇用創出が見込まれる新規産業の創出を重要課題とし、全庁的に取り組んでまいりたいと考えます。また、まちづくりに際しては中心市街地の活性化など、まちの魅力を高めながら、事業者の自助努力はもちろんのこと、釜石市民の自分たちのまちは自分たちでつくっていくという相互協力によるまちづくりへの市民意識の醸成も大切であると考えております。 こうした基本的な考えのもと、さらに地域の発展を図るためには、平成18年度に完成が見込まれる仙人峠道路や港湾など、人的交流・物流基盤の整備という優位性を最大限に活用し、総合計画に掲げる「人と技術が輝く海と緑の交流拠点」としての発展を目指す必要があると考えます。道路、港湾などの基盤整備のもと、地域の特性や潜在的な力を最大限に活用し、資源循環型社会の形成という時代の要請にこたえ、新たな雇用の場の創造につながるエコタウン事業の積極的な推進など、新たな産業おこしに努めてまいりたいと存じます。また、同時に総合的な水産業の振興や中心市街地の活性化、鉄の歴史と環境を生かす地域づくり、地域コミュニティーによる健康安心づくり、生涯学習の推進など、総合計画に掲げる重点施策を着実に推進することが重要と考えております。 なお、各種施策の推進に当たっては、積極的な市政懇談会の開催などにより、常に市民ニーズを的確に把握し、市民に開かれた市政を念頭に置きながら、市民参加で「いきいき釜石」の実現に努めてまいりたいと思います。 以上をもちまして、私からの答弁を終わりますが、引き続き助役、並びに総務企画部長が答弁いたしますので、御了承願います。 ○議長(平舘幸雄君) 助役。 〔助役高田直和君登壇〕 ◎助役(高田直和君) 私からは、自主財源のあり方についての御質問にお答えいたします。 当市の自主財源といたしましては、市税、分担金及び負担金、使用料及び手数料、財産収入、繰入金、繰越金及び諸収入が該当し、自主財源総額の約2分の1を市税が占めております。 まず、市税につきましては、経常的かつ自主的に調達することができ、自由に使途を決定できる一般財源であることから、歳入における市税の割合を高めていかなければなりません。そのたはにはエコタウン事業などの積極的な推進により、雇用者数の拡大と税収の拡大を目指すこと、また景気に左右されない税目である固定資産税の課税客体の的確な把握などにより、税収の確保を図っていくことが必要と考えております。 また、公共的施設の跡地などの活用されていない、市の持っている市有財産につきましては、地域の経済活動の活発化を促し、あわせて財産収入及び固定資産税の確保を図るために積極的に処分を進めるべきものと考えております。さらに受益と負担の観点から、使用料及び手数料は常にその適正化に努めるべきものであり、今議会におきましても上下水使用料の改正を提案しております。 自主財源の大小は行政の自主性と安定性の尺度であり、経費の節減など、歳出の見直しと並行して、ただいま申し上げました取り組みを通じて、今後とも自主財源の確保に努めてまいりたいと存じますので、御了承願います。 ○議長(平舘幸雄君) 総務企画部長。 〔総務企画部長佐々木重雄君登壇〕 ◎総務企画部長(佐々木重雄君) 私からは、固定資産税についての御質問にお答えをいたします。 固定資産の評価につきましては、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて行われ、市町村長がその価格を決定し、この価格をもとに課税標準額を算定いたします。土地の評価におきましては、不動産鑑定士による鑑定評価額や国の地価公示価格の7割を固定資産税における評価額といたしております。この不動産鑑定に当たりましては、売買実例や地理的社会的要因も考慮して評価いたしますことから、公平化されているものと考えております。 当市の住宅密集地の平均評価額が、宮古市と比べ低い要因は何かとの御質問でございますが、住宅密集地域のみを比較する資料がございませんので、平成15年度における当市と宮古市の宅地全体の平均評価額で比較いたしますと、当市の1平方メートル当たりの平均評価額2万3912円に対し、宮古市は2万7684円となります。これは不動産鑑定に際して考慮される地理的、社会的要因の差異によることと、当市の中心地域に大規模な画地を有する地区があること等によるものと思われます。 次に、新日鐵所有の土地にかかる固定資産税と評価に関する法律上の特例措置の有無についての御質問でございますが、当市の固定資産税に占める新日鐵課税分は相当のウエートを占めていることは御存じのとおりでございますが、課税上の内容につきましては、地方税法の規定によりまして御答弁申し上げられませんので、御了承願いたいと存じます。 なお、企業などの所有する大規模な画地につきましては、鑑定の際に減価要素、例えば利用効率が劣ること、また収益性や市場性についても考慮され、評価されますことから、新日鐵用地の評価につきましては、これらが考慮された評価額となってございます。 この評価方法につきましては、新日鐵用地に限らず、大規模な工場用地につきましては、全国統一された評価基準に基づいた評価方法となっております。また、法律上、大規模な工場用地に対する特例措置等は特段定められておりませんので、御了承いただきたいと存じます。 以上をもちまして答弁を終わります。 ○議長(平舘幸雄君) 平松福一君。 ◆22番(平松福一君) おたくたちの答弁はそれで終わるわけでしょうけれども、私が壇上でお話ししましたように、釜石のDID 600万平米、宮古市のDID 480万平米、そこから上がる土地の税額が、釜石は6億円で、宮古は8億円だというわけですよね。その辺について答弁がなかったんですが、しにくいんであれば私の方から申し上げましょう。DIDは総面積ですから、その中から当然課税地に、対象地域はおよそ3分の1ぐらいは減ると、そして3分の2ぐらいは課税対象地になるはずですよね。 伊藤部長、おたく大体都市計画等々やっておるわけでしょうから、その辺についてはおわかりになると思うでしょうが、それで去る9月の臨時議会の際に、同僚議員の方から固定資産税に関し、質問があったときに総務部長、あなたは新日鐵関連の固定資産税は固定資産税の相当なウエートを占めて納めていただいていると。ただ、昭和39年にできた大規模工業用地に対する法律、その趣旨や背景が現状に対してどうなるのか。またその法律を読み返して勉強しながら、内部でも検討させていただきたいと、そういうふうな答弁をしているわけです。 ですから、昭和39年にできた法律、それはどういう趣旨でできたのかというようなことを私なりに解釈をしますと、いわゆる大規模工業用地ですから、高度成長の時代ですね、39年ですから。それで、企業経営者が企業活動の、それを高めるためにそういった措置をしたものだというふうに私は解釈するんですよ。だから、それはそれで当時はよかったわけですね。ただ、それは昭和39年、盛んに釜石が人口約9万人を有するときでしたよ。それから20年たちまして、50年代の後半にはもう新日鐵さんには悪いけれども、既に高炉はとまっちゃって、経済活動の活性化、活発化というのはもう既に峠を越しておったというふうに私は思います。だから、その辺を考慮しながら、今後とも考えていったらどうかというふうなことを言ったんですが、あなた方はそのときまあ考えてみたいと言ったが、それから3カ月たって、まだ何も考えていないようですよね。 それで、市長、私は最も尊敬する大先輩の沢田権左ヱ門市長、あの人が釜石市長としてどんなことをやった人だか、もし話等で聞いておればよし、知らなかったら知らなかったで結構ですから。 ○議長(平舘幸雄君) 市長。 ◎市長(小沢和夫君) 現在の市役所を建てたというふうに聞いております。あとの経済活動につきましては、漁連の会長さんとか、いろいろとそういうことを務められて、水産界のために多大な貢献したということを伺っております。 ○議長(平舘幸雄君) 平松福一君。 ◆22番(平松福一君) 私ね、なぜ壇上でわざわざ沢田市長さんを引き合いに出したかと申したら、あの人はもちろん今市長のお話したように、漁連等々で活躍し、釜石に電灯会社を設立し、いろんなことを、言うならば釜石の今日の基盤を築いた人は沢田さんだと私はそう思っております。私ももちろん二十歳代にあの人から薫陶をいただきました。私が知っている沢田市長さんの最大の功績は昭和22年、当時焼け野原の釜石、当時の状況を知っておるのはこの議場の中には数多くいないと思うんですが、大渡橋から見れば全部海が見えたという時代です。そのときに釜石市議会で、しからばこの焼け野原になった釜石をどうすればいいのかといったことが議論されたそうです。そして、釜石はまずそこに製鉄所があるから、あの高炉を直して、日本国じゅう焼け野原になっていると、家を建てかえなくちゃならないだろうと。それで家を建てるためには鉄が必要だと。高炉を動かそうということを議場で議決したそうです。 そして、それを衆議一決し、東京へ行ったと。そして、当時の日本製鐵の社長、永野さんにお会いしたと。沢田権左ヱ門さんと社長さんは釜石町の町会議員当時、一緒だったそうでございます。そして、我々が実は高炉を復活したいが、占領軍政策により自分たちではできない。したがって、市長、頼むからやってくださいということを社長に言われまして、当時のGHQに行って話をしたと。そのことは私のおじきの市会議員からも聞いていましたし、せんだって亡くなりました前の市の収入役、川端長吉さんから私はじかに言われました。そのことが川端さんの遺稿集の中にも書いてありますから、あとでよくごらんになっていただければわかると思いますが。そして、その結果、昭和24年釜石製鐵所の高炉が復活したと、そのように私は先輩から言われました。 そして、故人であります川端長吉先輩に言われたのは、当時の苦労した方々から言わせれば、今の製鐵所が使っていない土地、空き地、あれは全部我々釜石市が利用する権利があるとまで私は実際その方に言われましたから、そのような思いを当時の釜石市の関係者の方々は努力したと聞いていますし、余り長くなりますとですね。そういう思いをもっと大変な決意であったことは、当時汽車は宇都宮で終わりだったそうでございます。あとどうするんだと言ったっけ、いや歩いてでも行こうと、そういったそうでございます。それは故人から私はじかに聞いた話ですから。そうしてまでもこの釜石を市民を何とかしようという思いがあったと。 そこで、私、この間NHKテレビのプロジェクトXを見ました。大分県湯布院町のことです。多分この中にごらんになった方がおられるかとも思いますが、そこで有名な温泉地だそうでございます。いずこによっても状況は同じですから、何としても過疎の町としては生きていかなきゃならないが、どうしようかと決めたときに、この天然の財産である温泉を使って、この町の振興を図ろうというふうにその町議会で決めたそうでございます。そうしたところ間もなくバブルの時代が来まして、開発業者が乗り込んできまして、大変な地上げが起こったそうでございます。そのときに町長さんを初め、町議会では大型の観光開発は許さない、自分たちの先祖伝来の持っている資産を、自分たちなりに活用しようというふうに決めたそうでございます。そして、大手観光会社が出した開発計画に対し、許可しなかったそうでございます。ところが、もしそのままいけば法律違反で起訴され、裁判されれば負けると、大変だということで、この町は町長さんの発案もあって、総務省に行ってかけ合って法律の解釈をかえてもらうことを努力したそうです。結果的にそれが通りまして、法律の解釈をかえていただきまして、自分たちなりの考えるまちづくりに成功したと。今でも昔の面影を忍びつつ、そのままの町として今観光客が絶えないと。そのときの担当課長のコメントはこうでした。「私は学歴はございません。県立高校定時制のみ終わっています」と、こう言っていました。我々の熱意が通じたと。 私はこの番組をじっと見まして、今の釜石市民、釜石市にとって最も必要なのはこれなんだというふうに思いました。どうか関係者の皆さん、NHKからビデオでもとってもらって、ごらんになっていただきたいと思いますよ。あの心意気、情熱、市長が言う、まちを愛す、いきいき釜石、持っているものをすべて活用すると、市長、あなたは言ってましたね。だから、先ほど答弁がありましたように、みんなでこのまちを愛し、このまちをつくろうと、私はそれに大賛成です。自分たちのまちは自分たちしかつくれないわけですから。それで、きょうもきのうも、くしくも同僚議員の質問はこれに集中していましたね。やはり今の釜石は自分たちでしかつくれないんだという思いが、この議会の中にもみなぎっているんだと思うんです。 それで、多分次の議案審議のときにも出るかもしれませんが、先ほど経済部長、答弁しておりましたね。地場の企業を回って、何が必要かということをよく調査してみたいと言っていました。私はそれが大事だと思うんですよ。それが大船渡の事業所数の違い、そしてまたそこに働く人たちの就労人口の違い、これだと思うんです、私はですよ。だから、よく研究してみてください。 かつて釜石の人口が8万人あって、宮古市の人口が7万人時代、そのときでも1年間に生まれる新生児の数が 100人宮古が多かったんですから。やがて釜石は大船渡の下になることはもう目に見えてますよね、こういった状況ですから。私は人口が多かろうが少なかろうが、私はそんなことは聞きたくないんですが、ただ、自分たちのまちをどうしたらばできるんだという思いが皆あるわけですから、どうかその辺をよく考えて、そしてやってください。みんなその場その職場で、この中の同僚議員も昔そうなの。営々として日常の生活、活動を通じ、釜石の将来発展を願っているわけですから、市役所の職員もそれにこたえてください。それじゃ、今の税制等について、もしコメントがあらばお願いしたい。 ○議長(平舘幸雄君) 総務企画部長。 ◎総務企画部長(佐々木重雄君) お答えをいたします。 人口密集地区と言われる、いわゆるDIDの部分については、答弁の中に具体的なお話がありませんでした。全くこのDIDにおける面積、あるいは固定資産税、議員おっしゃったとおりでございます。確かに答弁の中で申し上げているようにDID、大きな区域を線で囲んだものですから、きちっとした線引きでもございませんし、中には道路、河川、あるいは公共用地等も入っていますけれども、そういった社会的要因もありますし、先ほど答弁した大規模な区画もあるというのはその差異の要因であると思います。 この部分については、確かに議員御提言のように適切な課税客体をとれるという意味でも、またちょっとこのDIDを中心としたといった部分、税務課を中心としてもう1回洗い直しというか、精査をさせていただきたいと思います。 それから、9月議会で御答弁申し上げました昭和39年の大規模工業用地に関する法という言い方をさせていただきました。これにつきましてはそういう表現をさせていただきましたが、この関係を少しお話させていただきますと、固定資産税の評価制度という意味でお話ししたんですが、これは地方税法が昭和25年にできてから、しばらくたって39年に総務大臣が固定資産税の評価制度を定めなさいという定めができたというのは、これが地方税法の 388条ということになります。これまでも長い間に20数回見直しはされております。その見直しについてはもうここで説明できないんですが、現状に合った見直しをされています。したがって、議員が話される固定資産税の安定確保といった部分から考えれば、もちろん真剣に考えた上でいろいろなところに働きかけをしなければならないと思うんですが、今のところ有効に働きかけている部分は、税に関する団体等がありまして、岩手県税務協議会とか、あるいは東北税務協議会、こういったところでは常にこの状況を見ながら、非常に固定資産税の財政に対する重要性を訴えながら、なおかつ毎年見直されている税のあり方について、固定資産税について、負担水準のあり方も含めて、国、あるいは関係機関に要望しているところでございます。 議員のお話ではそれだけは何ともならないんだと、いわゆる情熱やら意気込みを持って、釜石だけでももう構造改革特区に該当するような動きをしなければならないだろうという話は議員のお話だと思うんですが、そういった思いを持って、そういった協議会の中でもお話はしていきたいと、このように考えます。 ○議長(平舘幸雄君) 平松福一君。 ◆22番(平松福一君) 余り他人の財産にね、くちばしを挟むのはこれ以上はやめますが、ただ壇上で私が言った雇用の場の創造ということですが、なぜ創造と言ったかと。それは釜石のあらゆる可能性を想像したときに、どれだけの雇用があるかということを考えたことがあるかという意味で私は創造と言ったんです。 今、釜石市で釜石の将来の柱としてやろうということで考えて、一生懸命やって苦労しているのに、サンロックがあるわけですよね。せんだって、テレビでサンロックのことが放送されていましたね。キャビアを将来2トンとか3トンとかと言ってました。キャビアの実情というのは、国内約年間40トンとか50トンとかも言われておりますが、そして生産できるのは全国で釜石だけだと。私なりに試算してみました。あのキャビアを国内の主産地と釜石が自負するならば、やはり主産地というのであれば、3分の1ぐらいは生産しなきゃならんだろうと。とすれば3トンや4トンじゃないですね。そして、それを柱とするならば、私はあわせてマツカワの養殖も今やっているんですから、考え合わせたらどうなんだと。助役、社長でしょう。まあ来たばかりだから、それ以上言いませんがね。 私たち清和クラブ、公明党議員団として、過日四国の愛媛の宇和島に行ってきました。そこでは宇和島漁協1単位で、養殖漁業でもって年間 300億の水揚げをしているというふうに聞いてまいりました。やはり今の海の状況からいって、この間同僚議員が言ってましたね。今、漁業水産高で一番多いのは、へたすれば中国じゃなかろうかと。中国の水産高の多くは養殖だと。だからなぜ養殖がいいのかと、養殖は定期的に計算して、それは収穫できる。それを安定的に市場に回すことができるということから、私は養殖事業というものは今大いに見直されているなと思うんですよ。 先ほど答弁の中にエコタウンとありますからね、私はこれ以上言いませんが、エコタウンて、じゃ何なんだと。私はいいよ、一生懸命やっているんだから、それを否定はしません。ただ、エコタウンでもって雇用人口が 100人だの云々だとかはやめてください。それ相当のものを考えてそういうような表現を今後してくださいね。仮にですよ、これ 100人だって大変な工業生産高になるわけですから、それだけの原料だって議論があるから、それは私言いませんが、ただ、私が言いたいのは今サンロックでやっている事業、あれがどのように拡大し、どのようなことをやっていけば、釜石の柱に成り得るか。そのためにはどんな方法があるかと、これを考える方が先じゃなかろうかというふうに思うんです。 我がまちはもともと水産で飯食った釜石でしょう。それをこれから先、多分市の中でそういった組織、考え方あるだろうと思うんですが、これで終わりますが、ひとつその辺について、今のサンロックに対する考え方について、どのようなことを庁内で話しているか、もし話ができればしてください。 ○議長(平舘幸雄君) 経済部長。 ◎経済部長(佐野善次君) サンロックに対する御質問でございますが、これにつきましては市の方の支援のもとに、今サンロックの方でいろいろと事業を進めているわけでございます。11月末現在の実績を見ますと、マツカワについては対前年比から見れば大幅に売上金額、トン数、これは伸びております。チョウザメの方も若干上向いております。ということで、マツカワについては当初の目標であります年間で13トンと、これらについては何とかクリアできるのかなと、今の段階ではそのように思っております。 ただ、これからもサンロックの経営のあり方等については、前にも議会等でお話し申し上げましたけれども、産業振興センターの指導のもとに、中小企業診断士によるアドバイス等々を受けております。それに基づいてサンロックの方では、今後経営をどのようにしていけばいいかということで経営改善計画、現在これを策定しているところでございます。 その中では、先ほど議員さんがお話されました生産の拡大というようなことも今検討をしているということでございます。ただ、当然拡大となれば設備投資、あるいは管理面でもコスト、経費がかかってくるということでございますので、これについては十分精査、検討をする必要があると。そういった中で可能な範囲で支援できる部分は支援してまいりたいと思っております。 ○議長(平舘幸雄君) 22番平松福一君の一般質問は終わります。 暫時休憩いたします。                午後2時50分休憩---------------------------------------                午後3時20分再開 ○議長(平舘幸雄君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。休憩前に引き続き、一般質問を続行いたします。 2番小鯖利弘君、登壇を願います。(拍手) 〔2番小鯖利弘君登壇〕 ◆2番(小鯖利弘君) 議席ナンバー2番の民政クラブの小鯖でございます。 私は初めての登壇と見かけどおりの上がり症なものですから、的外れな質問や不適切な言葉があるかもしれませんので、お許し願いたいと思います。 ことし6月29日、私の友人が膵臓がんのためにこの世を去りました。酒飲みでたばこ吸い、あげくに生活は不摂生、当たり前の結果だったのかもしれません。彼の会社は、私と同じような工業系中小企業で、この不景気の中、業績を伸ばしていると聞いていました。扱っている製品は独学で学んだと言っていましたが、3ミリ以下の極細の線材や管材を利用した独特なスエージング加工によって、押しつぶし、生産する光センサーのスリーブ、また医療用の針を製作している会社で、従業員は10数名、どこにでもあるような代表的な中小企業です。 彼は、来年は日本商工会議所の全国の会長を務める予定でした。志半ばにこの世を去ってしまい、無念の一言だと私は思っております。生前、こんな不景気な世の中だけど、知恵を出し合い協力して、子供たちや全国の若い後継者が夢を持てるよう、こんないい時代に生まれてよかったな、そんな社会をつくりたい。仕事と一緒でなせば成る、今でも商工会議所大阪大会で彼がPRのときに口すさんでいた「商売繁盛難波に来い、商売繁盛笹持って来い」、こんなフレーズが聞こえてきそうな気がします。なかなか愉快な人で、私にとって影響力を与えてくれた貴重な人材だったのですが、非常に亡くなって残念に思います。私は、彼のそんな思いや情熱を受けて精進し、頑張っていきたい、そのように思っております。皆さんも多忙のことと思います。特に市長、激務の中、大変だと思いますが、健康には十分留意をしまして、ますます活躍していただきたい、そのように思います。 私の好きな詩人はゲーテです。というよりもゲーテしか知りません。ゲーテの作品の多くは少年、青年時代をテーマにしたものなのですが、私の知っている数少ない作品の一つに「魔王」という作品があります。必死に生きようとする子供に魔王が邪魔をする。知っている人も大勢いらっしゃると思いますが、紹介したいと思います。 こんな夜更けに風吹く中を馬を飛ばしていくのはだれだ。馬には父が子供をしっかり大事に抱えて乗っている。「どうしておびえて、そんな顔をするのだ」「父さん、魔王が見えないの。あの冠とあの長いすそ」「何でもないよ、霧の流れだ」「いい子じゃ、おいで、わしと一緒に楽しい遊戯をしてしんぜよう。きれいな花は岸辺にあふれ、家には金の着物がどっさり」「父さん、父さん、聞こえないかい、魔王が小声で僕に言うのが」「落ち着くんだよ、何でもないよ、枯れ葉にざわつく風の音だよ」「いい子じゃ、行こう、わしと一緒に。うちの娘に世話をさせる。娘ら夜ごと音頭をとって、歌や踊りで寝かしてくれる」「父さん、父さん、見えないかい。あそこの影に魔王の娘が」「見えるよ、おまえ。よく見えるとも。古い柳が引っかかっているんだよ」「かわいい子じゃ、きれいな子じゃ、嫌というなら、無理に連れていく」「父さん、父さん、魔王が僕につかみかかって乱暴するんだ」父は震えて馬を駆りたて、うめく子供をしっかりと抱え、やっとのことで家に戻った。腕の我が子は死んでいた。 闇は子供にとって、とても怖いものなのでありましょう。私も小さいとき、真っ暗な外が嫌でなかなか外に出ることができませんでした。霧の流れとか枯れ葉のざわめき、古い柳にとって子供を安心させようとする父親に、もちろん魔王など見えるはずもありません。子供の豊かな感受性が、子供に魔王を見せている。子供は魔王によって病魔に侵されたかもしれないし、もしかしたら、最初から病気を患っていたかもしれない。どちらにしても家路を急ぐ父の甲斐なく、魔王によって死に追いやられる。子供のような独創的な発想があるのに対して、私たち大人はあたかもすべてを理解したかのごとく、現実的、合理的に考えるくせがついていることに改めて疑問を感じます。 長い前置きになりましたが、通告に従い、一般質問をいたします。質問は5点あります。 まずは高田助役に質問いたします。 正木前助役にかわり、新高田助役が釜石に赴任してきて早くも2カ月が経過しようとしています。あなたの目には釜石はどのように映ったのでしょうか。釜石の人はどこにでもありそうな海、山を代表するこの風光明媚な自然を愛し、そこで収穫される食べ物、特にこの前浜でとれる魚介類を、毎度口ぐせのようにうまいと言って食しております。 助役は新しい土地、なれないまちへ来て、戸惑いやら不便なこと、不安なことがたくさんおありではないでしょうか。この釜石は他の市町村と比較して、古くから伝わる文化的、歴史的な財産はなくとも、近代製鉄発祥の地として、漁業のまちとして、そしてスポーツ面においても一時期はラグビー全国制覇7連覇など、にぎわいのあるまちとして名をはせてきました。 しかし、今は人口減少が加速し、加えて高齢化、そして全国的な不況のあおりを受けて、過疎化が進む代表的なまちとしてとらえられています。しかし、いささか手前みそな話ではありますが、その地域で培われ、すぐれた技術を学び、伝承しようとしているまじめで勤勉な人々と、釜石市当局や市会議員に代表されるような、人情味あふれる心豊かな人柄が、多少飲んべえではありますが、きっとあなたを包んでくれることと思います。こんな釜石市民はあなたの活躍に大変期待を持っております。 その風体から感じられるバイタリティー、若さ、決断力、そしてセンスあふれる知的な顔、どれをとっても秘められたポテンシャルは相当高いものがあると私は推察いたします。釜石に赴任早々、大変失礼とは存じますが、あなたの釜石の印象とこれから釜石をどのようなまちにしていきたいか、行政姿勢についてお伺いいたします。 次に、水産振興について質問いたします。 私は釣りを趣味としております。天気のよい日は船出し、自然豊かで変化に富んだ地形、そして青々とした海で釣りに興じるなど、都会では体感できないぜいたくな趣味とまで思えるときがあります。また、仕事柄か、趣味を通して水産業が身近に感じられてなりません。そんな水産業が非常に長期的な危機的現況にあります。時代の変化、経済のグローバル化を背景に、我が国の水産業が大きな転換期を迎え、岩手県の水産業も資源の減少や漁場環境の悪化に加え、輸入水産物との競合、そして拡大しつつある国際的操業規制など、構造的要因から生産量の増大、及び漁獲物の価格向上が期待できないために、漁業就業者の減少に歯どめがかからない情勢にあります。 水産業の低下により専業漁師は減少し、他の産業に従事しながら、高級品であるアワビ、ウニだけは漁に出る。そして兼業することによって生活を維持している人も少なくありません。水産業者は豊かな時代を経験し、漁の模様や価格の変動に一喜一憂してきたため、きっときょうこそは、ことしこそは、来年こそはと期待感を持って日々の生活を送っています。イカ一本釣り、はえ縄、置き底引き網、定置網などの漁獲業者や、ホタテ、ワカメ、カキなどの養殖業者に至るまで、豊かな時代を信じて、目指して漁業に従事してきた、そのように思っております。 しかし、現実はなかなかうまくいきません。近年は特に年々格差が生じているのが現状であります。例えばサンマを例にとれば、ことし11月末の前年度対比約1.37倍の水揚げがあったと報告され、豊漁の年と言えると思います。しかし、価格単価が低迷し、金額的に約半分と落ち込みました。大漁貧乏とはまさにこのことではないでしょうか。漁業者は資源が枯渇して、減少して厳しく、また豊漁になって値段が安いといって厳しく、このような状況で経営が成り立つのでしょうか。理想的なことを言いますと、価格は高くして豊漁が望ましいのですが、現実はなかなかうまくはいきません。当局は価格の低下をもたらした原因をどのように分析し、今後どのような対策を考えているのかお聞きしたいと思います。 過日、ある民報局で魚のブランド化というテーマで放送がありました。関サバと関アジを例に挙げて、豊予海峡を挟み、佐賀関と岬の間で必死に高級ブランド化に向けて戦略合戦が展開されている番組で、ごらんになった方も多いかと思います。たかがサバに何倍もの価値を見出し、価格を転換していく。これからの販売方法も変化して、従来のネーミングがブランド化した時代から、本当によい鮮度の品物を、なおかつ生産者の顔が見え安心して購入できる時代、そういうふうに変化していくのではないでしょうか。今後釜石地域ならではの品質や特質の優位性を前面に押し出すような商品付加価値をつけ、他の地域との差別化を図り、ブランド化を促進しなければならないと感じておりますが、当局はこの件に関してどのように考えているのかお伺いしたいと思います。 次に、地場産業と雇用についてお伺いします。 御存じのとおり、現在釜石の製造業も他業種と同様、厳しい現実に直面しております。ある雑誌にこんなサラリーマン川柳が載っていましたので、3点ほど紹介したいと思います。1点目の作品はリストラされた方の作品なのでしょうか、「ついに来たおれも週休7日制」。2点目は給料の余りの低さを訴えているような嘆かわしい作品です。「年収はゴジラ松井の1打席」松井秀喜の今年度の公式打席数は 623打席です。年収は3年間契約で2100万ドル、1年 700万ドル、打席数で割ると1万1236ドル、約 108円で換算すると、1打席当たりは 123万3000円となります。ちなみにヒット1本当たりの価格とすれば 179安打でしたので、日本円で1安打 422万3000円になります。すばらしい数字です。もう1点は現実的な生活感がにじみ出た作品でした。「本物のビール買ったら妻激怒」ことしは発泡酒ブームに冷夏が加わり、ビールの売り上げは落ち込みました。給料が安くなり、発泡酒に比べて3割ほど高価なビールは家庭財政を逼迫させるもとなのかもしれません。世情を反映して、何ともわかりやすい川柳が歌われることを私は楽しくもあり、むなしさがまじり、複雑な心境になります。 さてバブル崩壊後、製造業も受注価格低下に反して、過剰品質とも思われる高度な品質が求められるようになってきました。加えて国際競争がますます激化して、韓国、中国を中心とした東南アジア諸国との価格競争が現実のものとなっております。中央では増加した設備投資額より、製造業にやや明るい兆しが見えると景気回復基調を論じておりますが、老朽化した設備が限界に来ての投資なのかもしれないし、景気回復の前兆だとしても、その波が地方に到達するまでには相当な時間がかかる上に、経済環境がどう変化するかも予測も立ちません。釜石の製造業は中小企業で、下請け的な企業がほとんどです。元請が価格競争に勝ち残り、外注加工として発注していただいたとしても、低価格というその影響は余りにも大きなものがあります。このような状況下で、中小企業製造業を早期に景気低迷より脱却させ、再生できるような対策は検討しているのか、具体策があれば教えていただきたい。 また、風力発電事業を初めとするエコタウン事業、溶融炉建設など、新しい時代にふさわしい企業づくりはどうなっているのか。進捗状況を含めてお伺いしたいと思います。 一方、雇用情勢においても前述した状況下において、一段と厳しいことと思います。中学生、高校生、専門学校、短大、大学など、釜石管内への就職を希望する学生はどの程度いるのか、また就職内定状況はどうなっているのか、釜石管内における有効求人倍率についても教えていただきたいと思います。 続きまして、道路建設について質問いたします。 全国的な財政難で各高速道路を中心とする見直しや凍結などという活字を頻繁に見たり聞いたりします。採算が合わないからといって、凍結側の意見であったが、国の財政が厳しいの一言に尽きるのではないでしょうか。そういう情勢の中、現在釜石は新仙人道路が建設されており、この道路の完成による効果は大いに期待されるものであります。道路のもたらす影響効果は、地域により多少異なるかもしれませんが、産業活動の活性化はもちろんのこと、医療のサービスの向上、災害時の避難道路、そして朝夕交通渋滞の緩和など、当たり前ですが、その効果は絶大です。 最近、三陸、北海道を中心に地震が多いのは皆さん御存じのとおりです。私は平田に住んでおりますが、もし仮に釜石に大きな地震が来て、大平地区の鉄の歴史館あたり、45号線が陥落したといたします。人的な災害がなければ、それでよろしいのかもしれませんが、もし発生した場合、医療施設が充実していない当地域で…当地域というのは平田のことなんですけれども、その被害者の処置の対応は十分できません。さらに悪いことに唐丹、荒川地区も崩壊し、崩れたとすると、通行することは不可能となり、大船渡に行くこともできず、平田以南に在住する釜石市民、我々は安心して生活することができません。大げさかと思われるかもしれませんが、災害はこんなときにやってくるのかもしれません。 緊急災害時の話を例に挙げましたが、さきに述べたとおり建設効果は未知数であり、今後平田を中心とする、エコタウン事業を初めとする溶融炉の建設を推し進める上でも無視することのできない、必ず当地域にとって必要な路線と私は位置づけております。ぜひ御理解の上、実現に向けた平田上中島線の重要性、かつ必要性を理解していただき、強く建設を要望したいと思いますが、当局の考えをお伺いしたいと思います。 最後に、市町村合併についてであります。 平成の大合併と言われている今回の全国的な市町村合併は、平成12年12月に閣議決定された行政改革大綱において、初めて政府の取り組みとして、市町村合併が位置づけられたことに端を発します。その中で国は、自治体数を約1000に編成するという具体的な数値目標が掲げられ、現在もその目標値に向けて進められていることは皆さん御承知のとおりでございます。 こうした全国的に合併推進に加速される中において、東北地方は、特に岩手県は合併に関する意識が薄いというような記事が過日新聞に紹介されておりました。総務省の出している全国の合併協議会設置状況によるデータにおいても、中国・四国地区を代表する西地区に比べて、温度差があるというように言われております。データ上で設置状況が低い県として、我が岩手県を筆頭に北から北海道、福島、長野など、多少偏見を持った勝手な個人的な分析ではありますが、市町村境界に山間部を有している県が合併に関して否定的な感じがいたします。あくまで個人的な意見ではございますが、これは山という自然的構造物が人と人との交流の障害物になり、疎遠にしていることが起因するのでしょうか。 過日、11月25日、港湾労働福祉センターにおいて釜石商工会議所青年部会員により、大槌商工会青年部と釜石商工会議所婦人部との合同の、合併に関する討議が開催されました。我が議員からも数名の若手議員が参加して、それを拝聴しております。合併を想定した住民発議についてと題して、青年部の会長より合併に関してのメリット及びデメリット、合併協議会設置請求署名活動とは何なのかの説明が行われ、その後参加者からいろいろな意見をいただきました。ざっくばらんな話ではありましたが、青年部、婦人部ともに釜石側の方々は合併を必要としているのに対して、大槌の青年部の方々は完全否定とは言わずとも消極的な姿勢でした。見合いの話で恐縮ですけれども、新郎側の釜石が相手に対して好印象なのに対して、新婦側の大槌は釜石はいい人だけどとかわされた感じがいたしました。 そこで、お伺いいたします。現行では合併特例法における優遇措置を受ける期限が1年3カ月、もう目の前に迫っております。9月議会から3カ月が経過いたしましたが、今、合併に関する状況の変化、動きがありましたら、伺いたいと思います。 以上、5点について壇上より質問とさせていただきます。また時間がありましたらば、自席より再質問させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(平舘幸雄君) 市長。 〔市長小沢和夫君登壇〕 ◎市長(小沢和夫君) 小鯖議員の御質問にお答えいたします。 市町村合併についての御質問でありますが、大槌町との合併につきましては、釜石地方振興局が行ったアンケートでは約6割の市民が賛成し、今年8月、市内7カ所で行った市政懇談会でも合併に賛成する意見が大半を占めました。これらの結果を受け、10月20日に私は大槌町に出向き、町長に対し、お互いの職員による事務レベルでの合併研究会の立ち上げを申し入れております。大槌町では、まだまだ合併に対し慎重論の方々が多いが、庁内で行政改革の推進、今後の地域づくり、広域事務の充実等も含め各種検討を行っており、年内にある程度の方向性を出したいとのことでありました。 また、申し入れした研究会については、今後検討するが、立ち上げる場合には広域行政の推進を主とした研究会にしたいとの意向でありました。したがいまして、現在は大槌町の検討結果を待っている段階であります。 なお、市町村合併にかかわる国の最近の動きといたしましては、去る11月13日に第27次地方制度調査会が検討結果を答申しております。その内容のうち、特に合併にかかわる部分について申し上げますと、現行の合併特例法失効後は新しい法律を制定し、一定期間自主的合併を促進するが、現行法のような財政支援措置はとらないこと、都道府県が市町村合併に関する構想を策定するに当たっての小規模市町村は、おおむね1万人未満を目指すとすること、地域自治組織の制度化などを盛り込まれております。今後、合併を進めるに当たっては、この答申内容に留意し、検討していく必要があるものと考えております。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き助役並びに関係部長が答弁いたしますので、御了承願います。 ○議長(平舘幸雄君) 助役。 〔助役高田直和君登壇〕 ◎助役(高田直和君) 私からは、助役の行政姿勢についての御質問にお答えをいたします。 釜石に来て2カ月がたちました。助役という重責、大変緊張した毎日であります。現在の率直な印象ということですが、釜石のみならず日本全体が、国も県も大きな変革期に入っていると思います。三位一体の改革、道路公団の民営化の議論に見られるように、厳しい経済状況の中、大変な行財政改革が進んでいる真っ最中であると認識しています。釜石においても人口の減少、経済の低迷といった苦しい時期だと思います。かつてのよかった時代から見れば、本当に苦しい状況だと思います。ただ、そういった状況の中で、例えばエコタウン構想、リサイクルポート指定に代表されるように、これからの産業を目指した新しい動きを有効に活用しての今後の展開は大変重要になると思います。 また、市長がいつも言われている民間の経営感覚、コスト意識、スピード、ヘッドワーク、フットワーク、ハートワークといった仕事に取り組む姿勢、意識、これがとても重要だと思います。厳しい状況で厳しい判断を求められる場面にあって、まさにこういった姿勢、意識を持って取り組まなければならないと思います。 職員とは日々業務を通じて、この意識を大事にするよう心がけ、議論しております。議員のおっしゃった釜石のよさ、特にその中でも物事にまじめに取り組む皆さんの勤勉な姿勢には本当に驚き、自分も身の引き締まる思いがしております。 私も含め釜石に住む我々が幸せに、安全に、そして豊かに暮らしていけるまちにしていきたいと思います。そのためには多くの課題、難局を乗り越えていかなければならないと思います。市議会の皆様とも、また職員ともよく議論し、市勢発展のために頑張っていく所存でございますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(平舘幸雄君) 総務企画部長。 〔総務企画部長佐々木重雄君登壇〕 ◎総務企画部長(佐々木重雄君) 私からは、新しい時代にふさわしい産業づくりに関する御質問にお答えをいたします。 平成13年3月に策定した釜石市総合計画「スクラムかまいし21プラン」では、基本目標の一つに、にぎわいと活力ある産業が展開するまちを掲げ、 140年を超える鉄の歴史とともにはぐくんできた技術を礎に、高規格幹線道路や港湾整備などによる物流機能の向上を見据え、地域資源や先進的な技術を生かした新たな産業の創出による雇用の拡大、地域経済の活性化に向けた取り組みを進めております。 その取り組みの一つであるエコタウン事業は、使用済み自動車のリサイクルや水産加工廃棄物のリサイクル、石炭灰のリサイクルなどの各種リサイクル事業を展開し、環境首都を標榜する岩手県の構想にも呼応した、資源循環型社会に対応する新たな産業の創出をしようとするものであります。 使用済み自動車リサイクルにつきましては、本年5月に事業主体である県内30の異業種から成る協同組合岩手オートリサイクルセンターが設立されております。この事業は、平成17年1月に施行が予定されるカーリサイクル法を視野に入れ、使用済み自動車の適正処理に対応するため、釜石商工会議所や県内自動車関連業界などが連携して取り組んでおり、現在事業予定地である平田埋立地の周辺住民や漁業関係者への説明、施設建設に向けた設計作業など、平成16年11月の稼働に向けた具体的な動きを展開しているところであります。 また、当市では各種リサイクル事業の具現化にあわせて、経済産業省と環境省が共同で承認するエコタウンの地域承認に向けた取り組みも進めております。地域承認に向けた主要事業として期待される水産加工廃棄物のリサイクルにつきましては、漁業集落から発生するワカメ、コンブの端材、加工廃液などの水産加工廃棄物から、酵素や微生物分解等のバイオ技術を用いて、多品種のアミノ酸類などを抽出し、医薬品や健康補助食品、機能性飲料用の原料などにリサイクルするものでございます。 この事業は、使用済み自動車のリサイクル事業と同様に、平田埋立地での操業を目指して、現在資源の収集からリサイクル製品の販売ルートの確立などを含めた詳細な検討を進めておりますが、エコタウンの地域承認の主要な事業であることから、地域承認の時期を念頭に、同時並行で事業化を進めてまいりたいと考えております。 このほか、太平洋沿岸に立地する石炭火力発電所から発生する石炭灰を、天然砂同等の商品にリサイクルする石炭灰のリサイクルや、バイオマス資源等のリサイクルなど、当市の立地特性を生かした新たな事業も計画、検討しており、将来的には沿岸部特有の漁業系・水産系廃棄物などの未利用海洋資源の活用と、地域内の生活、事業活動から発生する廃棄物を地域内で再生利用する、釜石独自の循環システムの構築を目指して取り組んでおります。 また、風力発電事業につきましては、総発電容量が4万2900キロワットと、完成した時点では国内最大級のものであります。この事業では日本製の1000キロワットの風車が43本建設されますが、既に43本分の風車基礎工事が完成し、現在送電線の地下埋設工事が進められるなど、土木工事は順調に進んでいる状況で、いよいよ来年の雪解けを待って風車の据えつけ工事が行われ、平成16年11月には商業運転開始がされる予定と伺っております。自然の恵みである和山の風を生かしたこの事業は、岩手県のエネルギー自給率の向上や地球温暖化防止に寄与するとともに、クリーンエネルギーの普及促進、そして雇用の創出や畜産業の振興、交流機会の増大など、地域経済の活性化に大いに寄与するものと期待しているところであります。 当市にとって雇用の場を創出し、人口の定着を図ることは重要な課題であることから、環境と循環を切り口とする新たな産業の創出に向けた取り組みにあわせて、既に立地している企業の育成強化と新たな企業の誘致に積極的に取り組み、地域に根差した多様で力強い産業の集積に努めてまいりたいと存じます。 ○議長(平舘幸雄君) 経済部長。 〔経済部長佐野善次君登壇〕 ◎経済部長(佐野善次君) 私からは、まずサンマとサケの価格低下の原因と今後の対策についての御質問にお答えいたします。 釜石魚市場の平成15年4月から11月までの期間の水揚げ実績によりますと、サンマは数量2055トンで金額1億2579万円となっております。前年の同時期は数量2548トンで、金額4億1446万円となっていることから、前年度と比べ、数量で19%、 492トンの減、金額で70%、2億8867万円の減と、大幅な落ち込みとなりました。 数量が減少していますが、それ以上にサンマの魚価が前年に比べ、約半額となり、これが金額に大きく影響しております。近年台湾などの海外のサンマ船が北海道沖で大量に漁獲、冷凍し、これが輸入物として国内市場に出回り、サンマの魚価を下げているとのことであります。さらにことしのサンマ漁は魚体も大きく豊漁でしたので、これにより魚価が大幅安値になりました。 サンマ船の誘致については、漁期に入る前に釜石漁業協同組合連合会、釜石魚市場買受人組合、市などで構成するサンマ水揚げ取り扱い協議会を2回開催するとともに、釜石市廻来漁船誘致協議会による誘致活動として千葉県の銚子市や福島県のいわき市へ出向き、船主や買い付け業者への訪問活動を実施しました。しかし、当市の漁船受け入れの問題として、魚市場に揚がったサンマを他の魚市場に出荷したり、加工したりする業者が少なく、買い付け能力が低いという課題があります。大量に揚がった魚を処理できないため、結局は一度に何隻もの漁船を受け入れられないというのが実態であります。 一方、秋サケにつきましては、釜石魚市場の平成15年8月から11月までの期間の水揚げ実績によりますと、数量が3022トン、金額は5億8626万円となっております。前年の同時期は数量が4126トンで金額12億7272万円となっていることから、前年度と比べ数量で27%、1104トンの減、金額で54%、6億8646万円の減と、こちらも大幅な落ち込みになっております。秋サケは当市周辺の沿岸定置網によるものであることから、回帰する数量は毎年ばらつきがあります。またことしはエチゼンクラゲが大量に定置網に入り、これが秋サケ漁に悪影響を与えているとの見方もあります。 また、全国的に秋サケの魚価は、海外からのサケ・マスの輸入物の増加、さらには今年度北海道が過去最高の水揚げを記録していることなどから、例年に比べ約40%安い状態となっております。これらのことが釜石魚市場の秋サケ水揚げ金額の大幅な減少の原因であると考えます。サンマ・サケともに今後も輸入物の増加などで、魚価安の状態が続くものと思われます。このため魚価安の中で水揚げ増強を図っていくことが重要であり、引き続き関係業界が一体となった廻来漁船の誘致運動等の施策を展開してまいりたいと思います。 また、漁船受け入れの問題として、買い付け能力の高い業者の育成が重要な課題となります。このため市内の業者の育成はもとより、市外業者の受け入れを検討する必要があることから、釜石市漁業協同組合連合会や釜石魚市場買受人組合と、新規買い受けの参入緩和に向けた協議、検討を行ってまいりたいと考えております。 次に、他地域との差別化を図るための魚のブランド化についての御質問でありますが、釜石の水産物をブランド化する取り組みは、地域全体の魚価の向上やイメージアップにつながり、産地間競争の激化に打ち勝つ上で、有効な手段であると考えます。海外からの輸入物の増加などで、魚価安が続く中、魚価の回復を図るためには高鮮度、高品質の水産物を供給することが重要であると思います。そのための取り組みとして、市漁連が主体となって鮮度保持のためのタンクや、魚が直接コンクリートに触れないようにするためのじか置き防止トレーの設置、砕いた氷を直接漁船に積み込むための移動砕氷機の整備、高鮮度流通講習会の開催などの施策を実施してまいりました。さらに鮮度維持を図るための海水氷の導入試験や、産地ブランド化を目指したイカ箱産地表示など、新たな取り組みも始まっております。また、魚市場でのサケ水揚げ作業の効率化、迅速化を図るため、フィッシュポンプの利用実験も行うこととしております。 このように他の魚市場との違いが発揮できる釜石型水産業の振興を図るため、漁業者、魚市場関係者、流通業者と連携をとりながら、釜石ブランドの確立に向けて取り組んでまいりたいと思いますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、地場産業と雇用問題についての御質問でありますが、地方の中小企業が経営基盤の安定を図り、持続的な発展を遂げるためには、従来からの経営路線にのみとらわれることなく、新技術、新事業の導入や新たな販路開拓・拡大を図るなど、積極的な企業活動を展開していくことが必要ではないかと思います。 このため当市では地場企業の新技術、新商品開発を支援する異業種試験研究等総合支援補助事業、展示会、商談会への出店を支援する市場開拓・受発注総合促進補助事業、事業資金を融資する際に利子の一部と保証料全額の補給補助を行う中小企業振興資金融資制度など、市の独自事業を創設し、企業の経営革新と競争力の強化に向けて産業支援策を講じております。これまでにこのような制度を活用することで、例えば現在産業育成センターが核となり、産学官連携で取り組んでおりますコバルト系生体材料研究開発が、後に国の研究開発事業に採択される契機となった基礎研究に結びついたり、あるいは東京で開催された全国をターゲットとする食品展示会に出店し、多くの商談成立に結びつくなど、いろいろな成果が上げられているところであります。 また国・県におきましても、創業、技術革新、IT対応、市場可能性調査など、近年さまざまな分野において産業支援施策が手厚くなってきているところであります。しかしながら、これらの現行制度は、まだまだ企業経営者の間に完全に浸透していないものと受けとめており、まず現行の産業支援策を十分に活用していただくことが最重要課題であると認識しております。 このことから今後さらに企業訪問、広報及び市のホームページなどのさまざまな手段により、これら制度の周知徹底を図っていきたいと考えております。このほか釜石・大槌地域産業育成センターにおきましても、産学官などの連携により、新商品、新技術開発を目指す研究開発事業、販路の拡大と営業力の強化を目指す市場開拓支援事業など、地域産業全体のレベルアップを目指し、幅広い活動を展開しているところであります。 当市としては、企業ニーズに即した施策を展開すべく、今後とも企業訪問などの機会を通じ、企業経営者の生の声を的確に把握するとともに、産業育成センターや商工会議所などの関係機関と連携し、技術革新、企業再構築、産業転換に向けた機運の醸成にも努めてまいりたいと思います。 次に、中学、高校、専門学校、短大、大学の来春卒業予定者の釜石管内への就職希望者、及び内定状況について説明いたします。 本年11月末現在では、中学生については就職希望者はありません。高校生については、公務員や縁故就職者を除く就職希望者 338人のうち、釜石職業安定所管内への希望者は 149人となっております。就職の内定状況は全体では 248人が内定しており、就職内定率は73.4%であります。そのうち管内内定者は99人、内定率は66.4%であります。専門学校、短期大学、大学生については釜石公共職業安定所においてもデータがないため答弁できませんが、同じく11月末現在で、平成16年3月に管内企業等に就職が内定している人数は、専門学校生が3人、短期大学生が3人、大学生が5人の計11人となっております。 次に、有効求人倍率の状況と雇用問題に対する市の取り組みについての御質問でありますが、平成15年4月以降の有効求人倍率の推移を見ますと、全国では5月から6月にかけて若干の落ち込みはあったものの穏やかに上昇しており、本年10月現在で 0.7倍となっております。岩手県及び釜石市においては、わずかながらではありますが上昇傾向が続いており、10月現在で岩手県が0.58倍、釜石管内は0.51倍となっておりますが、依然として全国、岩手県より低い数値で推移しております。 このような厳しい雇用状況の中で、市といたしましても特に新規学卒者の釜石市内での求人をふやすべく、本年7月には岩手労働局、釜石公共職業安定所とともに、市長みずからが市内の企業を訪問し、求人開拓を行っております。さらに12月にも厳しい就職状況を考慮し、釜石公共職業安定所とともに、市内の企業に対する求人開拓を行っております。 また、関係団体と協力しながら、高校の進路指導の先生方と事業主との意見交換会の場の設定や就職ガイダンスの開催、事業所見学会などの就職支援を行っております。U・Iターン者に対しても、市に登録していただいている方々への情報提供やホームページによる市内の求人情報の提供に努めております。 今後はこれらの直接的な取り組みに加え、現在策定中の総合雇用対策において、雇用創出や融資制度などのセーフティーネットの充実、産業支援などについて取りまとめ、国・県、関係機関と連携しながら、雇用対策に鋭意取り組んでまいります。 ○議長(平舘幸雄君) 建設部長に申し上げます。あと7分しかございませんので、簡潔な答弁を願います。 建設部長。 〔建設部長伊藤昭男君登壇〕 ◎建設部長(伊藤昭男君) 私からは道路建設についての御質問にお答えをいたします。 道路は日常生活はもとより地域相互の交流、医療、防災などの連携強化に欠くことのできない重要な社会資本であります。三方を峠に阻まれた当市にとりましては、地形が急峻な地理的条件に起因する劣悪な交通アクセスの改善が長年の重要課題となっております。特にも当市は津波の常襲地域であり、災害時における緊急輸送路や避難路等の交通確保が急務であると認識しているところであります。 当市の道路整備の実情を見ますと、幹線道路は三陸沿岸を縦断する国道45号と内陸部に通じる国道 283号の2路線であり、また当市を結節点とする縦横の高規格幹線道路はまだ整備途上であり、当市の道路整備は十分な状況とはいえず、まだまだ整備の必要があると考えております。 このことから市といたしましては、仙人峠道路を初め、幹線道路から市道に至る道路網の整備について、これまで国・岩手県に要望してきたところであります。特にも市道平田上中島線につきましては、国道45号と 283号を結ぶバイパス機能を有するとともに、リサイクル産業の集積が進められている平田地区への広域的アクセスとして重要路線と位置づけておりますことから、県道昇格による早期整備を岩手県に対し、強く訴えてきたところであります。しかし、県では近年の逼迫する財政状況から、道路整備にかかる十分な事業費の確保が難しく、現状では県による整備は極めて厳しいとの認識が示されております。これら釜石の道路の実情を県に強く訴えるとともに、市民の皆様方の御意見、御要望を十分にお伺いしながら、市道平田上中島線の整備に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。 以上をもちまして答弁を終わります。 ○議長(平舘幸雄君) 小鯖利弘君。4分ちょっとです。 ◆2番(小鯖利弘君) このような時間配分になるとは思わなくて、質問をいっぱい考えてきたんですけれども、厳しいです。まず、簡潔に答えていただきたいと思います。 まず、助役さん本当にいろいろなごあいさつ、御苦労さまでした。ありがとうございます。 まず、経済部長の方にお伺いしたいと思います。異業種試験研究等総合支援補助事業、それから市場開拓・受発注総合促進補助事業が今予算計上されて現在あるわけですけれども、これの利用状況と、それと予算がどのくらいついているのか、簡潔にお願いいたします。 ○議長(平舘幸雄君) 商工課長。 ◎商工課長(野田喜一君) それでは、市の産業支援に関する補助制度、この利用状況と効果等についてお答えをいたします。 まず初めに、異業種試験研究等総合支援事業補助金でございますが、これは異業種の交流活動、これを進めまして、技術力の向上ですとか、販路拡大、あるいは起業家の発掘、育成を図るということを目的にしまして、平成8年度に創設してございます。15年度の年間予算は77万円となってございまして、これまで7年間の実績といたしましては研究開発関係が5件、販路拡大関係が2件、合計7件の補助実績という形になってございまして、補助金額総額では 285万4000円ほどとなってございます。 効果につきましては、先ほど部長が壇上から申し上げましたとおり、研究開発がさらに次の段階に進むというような結果にも至ってございますし、さらに広く販路の拡大を目指しました商品開発、それから販路促進活動、こういうものが進みまして、多くの注文を受注しているというような効果もございます。 次に、市場開拓・受発注総合促進事業でございます。これは弱いとされております営業力強化をするための補助金でございまして、平成14年度に創設してございます。15年度の年間予算は90万円でございまして、これまで1年余の実績としましてはソフトウエア関係1件、水産加工関係1件の合計2件でございます。補助金総額は71万9000円となってございます。効果といたしましては、中央で開催される全国をターゲットとしました展示会に出品することによりまして、大手との商談成立、これに結びつくなど、成果を上げている、こういう形でございます。 ○議長(平舘幸雄君) 小鯖利弘君。 ◆2番(小鯖利弘君) あと2分くらいですか。 ○議長(平舘幸雄君) 1分ちょっとです。 ◆2番(小鯖利弘君) あ、そうですか。早めに言います。今、釜石独自でやっている補助事業とか、それから県とか国でやっている補助事業等あると思います。これをぜひ有効利用していただかなければならないと思います。釜石当局の方でも企業訪問したり、それから広報とかホームページということは言っていますけれども、なかなか周知されるということが厳しいのかと思いますので、もっともっと積極的に行っていきたいと思います。 それとこれから補助事業を受けるのに24時間対応をしていただきたいということで、ワンストップサービスを、これは多分電子政府の方で平成12年ころ提案されていることだと思うんですけれども、ぜひ積極的にワンストップサービスを考えていただきたいというように思います。 最後に、簡単にまたゲーテの詩で締めたいと思います。 「だれかれと相談する者は結局だれの言うことも聞かない。別な人間が次々に勝手な意見を述べるのだから。どうすればよいのかわからなくなるのも当然だろう。まさか一人残らず聞いて回るなどということもまさかできまい」これから決断が求められると思うんですけれども、いろんな人の意見を聞くのは大事です。でもぜひ自主性をもって積極的な決断、判断でやっていただきたいというように私の御意見にかえさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(平舘幸雄君) 足りないところは議案審議でやってください。 2番小鯖利弘君の一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(平舘幸雄君) 次に、25番佐藤一夫君、登壇を願います。(拍手) 〔25番佐藤一夫君登壇〕 ◆25番(佐藤一夫君) 市民クラブの佐藤一夫です。 通告に従いまして一般質問を行います。 当市の産業経済の発展と再生に重要政策と指摘されてきました当市のハード条件、すなわち高速交通網の整備の中で、平成18年新仙人事業が完成をされます。釜石湾口防波堤事業についても、また公共埠頭事業も完成される見通しにあります。通産省における産業政策、すなわち重厚長大産業から軽薄短小産業に産業構造が転換されました。当市の基幹産業でありました製鉄業も鉱山業も撤退され、今日に至ります。それに加え、陸の孤島と言われました当市も、ようやく高速交通網が整備されつつあります。物流拠点都市を構築する公共埠頭も整備されます。いわゆる当市の活性化と再生に最大課題でありましたハード条件が整う条件になりました。 当市の重点政策課題、新仙人トンネル、高速交通網整備、公共埠頭の完成、湾口防波堤の完成に伴い、ソフト環境整備が急務と考えるのであります。ソフト整備を強調するには、遊休地を所有する企業と議会、行政とに大きな溝があるように私が感じるからであります。すなわち指摘するスリーポジション…企業、議会、行政の結集体、組織をつくり、企業の方針や戦略、また議会の意見や行政の考え方、計画など意見交換をし、フリー討議をする機会をつくるべきであります。 それぞれの考え方や計画、発想だけでは決して当市の発展には大きな追い風にはなりません。重要なそれぞれの立場から模索、検討する機会が必要であります。市長の見解と各部長の見解をお伺いします。 当市の産業構造転換時代、各部長は行政の中核として、何を考え、いかなる対応策が必要と判断されて今日に至るのか。どのような視点に立ち、行政運営をなされてきたのか、お尋ねをします。行政幹部としての当市再生にかける哲学をお伺いしたいと思います。自席での答弁を求めたいと思います。 私が企業、議会、行政とのスリーポジションを求める真意は、遊休地を所有する企業と議会、行政間が三者三様であっては当市の発展、市の活性化にも企業の発展やまちづくりにもよき状況には思えないからであります。ちなみに議会や市民の間に、企業の社会的責任として遊休地を開放せよとの声や意見があります。また、大橋地域のさやわかトイレ完成後の議会において議論となり、中央まで調査員を派遣した経過もあります。 通産省と動力核燃料事業団にかかわる地下研究施設においても、その事業計画内容を十分把握しての反対運動であったのでしょうか。計画事業内容とは連動しない、危険物処分地になるとの運動であったと記憶しております。その結果は通産省の当市評価と見方に大きな変化が生じたものと想定されます。また、通産行政に信用を失ったのではないでしょうか。そのことは国のみならず地元企業との信頼を失ったようにさえも思うのであります。当市の反対運動はデマと中傷による国家事業の撤退であったと私は記憶しております。また、基幹産業合理化・撤退に対し、白紙撤回運動は他の地域に類似対策対応を見るときに、何も残し得られなかったのではないでしょうか。当市の産業構造転換後20数年、振り返ってみるときに、おのれに都合のいい判断と産業、経済の潮流や時代の流れ、国の産業政策を理解することなく、今日の当市を見るときに余りにも現状の相違を痛感するのであります。 同じ北の国の製鉄業でも室蘭製鐵所では重厚長大産業から軽薄短小産業に移行しつつ、企業も地域も時代の流れ、国の政策を十分配慮、対応し、57年には第1高炉、60年には大型工場休止、第2高炉、第4高炉休止を実行しながら、製鋼工場の統合、特殊鋼棒線形態の確立など、時代を先取りした技術革新に挑戦して今日に至ります。まさに新溶解法など、特殊鋼基地室蘭であります。白紙撤回ではなく、企業と地域が一体となり、その時代に相応した取り組みがその結果であると思うのであります。室蘭市の人口は昭和55年には15万 199人、平成14年、昨年でありますが、10万2465人となっておりまして、産業転換時に比較をいたしますと、3分の1の人口減であります。釜石の人口は全盛時、申し上げるまでもなく9万2000を数えました。今年11月には既に4万5000人を割り込んでおるところであります。合理化対応の相違ではないかと私は判断しております。 国内鉱山の主たる秋田県小坂鉱山、さらには宮城県細倉鉱山には今日のエコタウン事業の産業おこしが通産主導で実現しております。神岡鉱山ではノーベル物理学賞を受賞するニュートリノ天文学の国家事業を行っております。神岡鉱山ニュートリノに関する11月末のテレビ政治討論会では、1000億円の国家予算が投入されたとのことでありました。10数年での1000億は大きな研究成果と地域に計り知れない経済効果を与えております。釜石防波堤事業は昭和53年より25年間で1300億となっております。改めて国家事業の威力を感じたのであります。 ちなみに他の産業構造転換地域は、当市のような反対、白紙撤回ではなく、国の産業政策や世界の経済情勢、時代の流れを考慮しながら、反対する立場とさらには生き延びるための取り組み対応がなされたものと判断するものであります。このたびの総選挙においても、かつて 166名の議員を抱えたその政党が、選挙後数名政党になりました。いかにすばらしい政治哲学を持っていようとも、政治政策を掲げようとも、国民有権者に支持、支援がなければ現実に押し流されるのであります。時代の流れに適切な対応できない政党も地域市町村も同じ運命をたどるものと痛感するものであります。 以上のような自己判断と一議員として、一市民として行うものであります。今日ハードな条件整備がされる当市に最も必要な対策は、企業、議会、行政の意思疎通こそ最重点課題と指摘するものであります。私は物事に反対する際には、その正確な反対根拠を明確に行い、それに対する対置案を当然するべきものと心得て今日に至ります。当市はこれまでどうであったでしょうか。製鉄業、鉱山業を抱えた当市でありましたが、国家事業導入もできず、再生の機会を失い、今日であります。 さて、三陸沿岸、とりわけ当市の悲願でありました一般国道 283号仙人峠道路改良事業も、平成18年に完成される見通しにあります。国の政治の大きな政策テーマとして、道路公団民営化について議論がなされております。一般国道 283号仙人峠道路改良事業完成後は当然遠野・東和間の事業促進に取り組まなければならないと思うのであります。今日の東北横断自動車道路の見通しと取り組みについてお伺いをします。 あわせて甲子町に設立されますインターから 283号線に出てくる車両の市内に及ぶ道路アクセスの安全対策についてお尋ねをします。 教育行政についてお伺いをします。 学校統合は学区が拡大され、児童・生徒の総数が多くなります。PTA組織も当然大きくなります。学校運営もこれまでとは異なり、方針や対応取り組みがあると想定されます。統合される学校の経営方針についてお尋ねをします。 今日の大きな社会問題は、殺伐とした事件の多発傾向にございます。若年層から高齢者に至るまで広範囲に事件が発生をし、心痛を感ずるものであります。子供連れ去り、幼児虐待の多いのにも驚きます。マスコミ報道によりますと、17歳以下子供連れ去り事件は、今年1月から10月まで全国で 126件発生しております。 双葉小学校は 283号線沿いにあり、新仙人トンネル完成後は交通量も増加するものと想定をされます。異常者校内侵入対策、さらには広範囲になります通学路の安全対策について、どのように教育行政は考えているのかお尋ねをします。 以上をもちまして、壇上からの質問を終わります。時間がありましたら、自席で再質問を行います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(平舘幸雄君) あらかじめ会議時間の延長を行います。 市長。 〔市長小沢和夫君登壇〕 ◎市長(小沢和夫君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。 産業行政についての御質問でありますが、当市のまちづくりの歴史の中で、基幹産業の合理化は地域を揺るがす大きな事象であり、地域、経済及び市民の生活に大きな影響を及ぼすものとなったことは周知のとおりであります。一方、これら合理化への影響に対し、危機感を持ち、活性化が期待される各種プロジェクト導入への積極的な取り組みが具体化したのも同時期でありました。特にも最大の課題であった雇用の場の確保については、県、市、企業の一体的な企業誘致や新規産業の創出への積極的な取り組みにより、製造業では現在合理化時と同じ就労者数を確保するなど、一定の成果を見たものと理解しております。 また、実現に至らなかったプロジェクトを顧みると、議員御指摘の企業や行政との連携が不十分なことによる溝が生じていたことも一つの要因ではないかと考えます。これらのプロジェクトは事業の検討過程の中で、社会的な背景や、関係する機関と市民の意見のすり合わせなど、その時々に応じたさまざまな条件を総合的に判断し、決断されたものと考えております。企業は企業間競争に打ち勝つ戦略としての合理化の必然性が肯定される今日、自治体もまた地域間競争が激化する中、いかに地域経済の基盤を形成し、自立的な都市経営を図るかが今問われてきております。 これらの歴史的な教訓を礎に、今まさに当市においては、道路や港湾など基盤整備が進む中、ものづくりの基盤や地場産業、それを支える歴史、人材など、釜石が持つ地域の特性と潜在的な力を最大限に活用し、新たな産業の創出に向けた積極的な取り組みを展開することが重要であると認識いたしております。特に企業、議会、行政が連携を密に、目的方針を一つにして地域経済の活性化に取り組むことは、地域産業の振興はもとより、また全体の発展に大きくつながるものと期待されますことから、今後とも各位の御協力をいただきながら、課題の解決に向けて努力してまいりたいと存じます。 次に、企業や議会とのフリー討議を行う機会をつくるべきであるとの質問でありますが、企業や議会に対して行政から積極的に意見交換の場を持ち、情報交換を行い、新たな発想でまちづくりを進めるべきとの趣旨であるものと理解しております。現在、企業、特にも新日鐵釜石製鐵所は一定間隔で情報交換の場を設定し、さまざまな角度から意見交換をいたしております。現在重要事項として進められておりますエコタウン事業については、構想段階から一緒に検討し、それぞれの機能分担による事業の具現化について連携しながら、取り組んでおり、事業の円滑な進捗に大きな力をいただいたことも事実であります。 今後とも企業訪問や懇談会の開催などにより、産業界の要望や意見を聞く機会を通じ、行政側から積極的な働きかけを行い、機会あるごとにコミュニケーションを深めながら、広く情報交換する中で、まちづくりへの新たな発想や方向性を見出してまいりたいと存じます。 以上をもちまして私からの答弁は終わりますが、引き続き教育長、並びに建設部長が答弁いたしますので、御了承願います。 ○議長(平舘幸雄君) 急に申し上げますけれども、今25番佐藤議員の質問の中でただいま答弁した産業政策について、各部長の関連して見解をただした質問があります。これは自席で答弁してくれという25番議員の要望でありますので、自席から答弁願います。 教育長。 ◎教育長(塚本希之君) 私からは教育行政についての御質問にお答えいたします。 初めに、学校統合に関する学校経営方針についてでありますが、学校統合の目的は活力ある学校づくりやより豊かな心を持ったたくましい児童・生徒の育成、指導体制の充実などにあり、当市では平成13年5月1日号の広報かまいしで、「活力ある学校づくりを目指して」という表題のもとに、釜石市立小・中学校統合実施基本計画を市民の皆様にお知らせしております。 この基本計画をもとといたしまして、これまでに大石小学校を唐丹小学校に統合した後、八雲小学校と中妻小学校を統合して双葉小学校を、釜石小学校と大渡小学校を統合して、新しい釜石小学校を開校してまいりました。これらの学校の統合、開校に当たりましては、新しい学校での児童の教育を円滑に行うために、両校の教職員が分担して教育課程などの原案を作成した後、教育方針を初めとしまして学校経営計画という一つの冊子にまとめ、全教職員で確認しているところであります。 これらの計画を立案するに当たりましては、統合により児童数が多くなることに留意するととにも、指導に当たってはそのことをメリットとしてとらえ、活力ある学校づくりという統合の目的が達成されるよう取り組んでおります。その成果といたしましては、一例を挙げますと、統合後には子供たちが家庭に帰ってから、あるいは休日の公園では、両校の子供たちが仲良く遊んでいる光景をよく見かけるようになりました。このことはふだんの学校内での生活を反映しているととらえることができると思います。この子供たちの姿一つをとってみましても、またミニバスケットボールの活躍のように、スポーツや文化活動でも子供たちがエネルギッシュに頑張っている姿が随所に見られ、学校統合の目的である活性化が図られつつあるということが想像できると思っております。 学校統合により児童数も教員数もふえますが、学校統合のねらいは、言いかえればそのような数としての増加を教育効果にかえることであります。これまで実施してきました学校統合におきましては、家庭や地域の皆様を初め、多くの方々の御協力、教職員の努力により所期の目的は達成しつつあり、感謝している次第でありますし、今後ともよろしくお願いしたいと存じます。 さらに双葉小学校児童の校内や通学の安全対策についてでありますが、大阪池田小学校の事件以来、市内の小学校と幼稚園に学級数と職員数に応じて、緊急時の異常を知らせる防犯ベルを配置し、不測の事態に備えております。 3学期から子供たちが入ります新しい双葉小学校の校舎では、不審者の侵入による事故を防止するために職員室を児童昇降口やグラウンドが見渡せる1階に配置しており、一部出入り口には防犯カメラを設置するなどして来校者を確認できるようにしております。さらに各教室には職員室に通報される緊急通報ボタンを設置し、緊急時に対応できるよう配置しております。これにより校内での安全はほぼ確保できるものと考えておりますが、校内の安全管理については設備の充実に加え、教職員の目により常に注意を払うことが必要でありますし、中妻交番など、関係機関との連携を図りながら、対応することとしております。 教育委員会といたしましても校内の安全管理については、教職員の指導とともにPTAを初め、地域関係者の皆様の御協力をいただきながら、児童の校内外での安全確保に万全を期してまいりたいと存じます。 次に、双葉小学校の通学安全対策についてでありますが、平成14年4月の統合・開校から現在まで、旧八雲小学校校舎への通学の安全を確保するため、国道 283号沿いや交通量の多い市道交差点などで、PTAを初め釜石警察署中妻交番、地元の交通指導隊や交通安全協会の皆様の御協力をいただきながら、通学の安全指導を行ってまいりました。今まで幸いにも登下校時の事故は発生しておりませんが、新町の新校舎への移転により、通学路に若干の変更が見込まれますことから、学校とPTAが通学路の実態調査を行い、安全な通学路の指定を行うとともに、これまでと同様に地元の交通指導隊や交通安全協会の皆様の御協力をいただきながら、教職員やPTAが定期的に通学時間帯の見守り活動を行う予定としております。 また、教育委員会といたしましても、引き続き釜石警察署に協力をお願いするとともに、市の広報や新聞等で運転者の安全運転の励行について、啓蒙を図ってまいりたいと存じますので、御理解を賜りたいと思います。 ○議長(平舘幸雄君) 建設部長。 ◎建設部長(伊藤昭男君) 私からは、道路行政についての御質問にお答えします。 まず初めに、東北横断自動車道釜石秋田線、遠野・宮守間、並びに宮守・東和間の今後の取り組みについての御質問ですが、新聞報道等で御存じのことと思います。国土交通省では去る11月28日に開催された第4回道路関係四公団民営化に関する政府与党会議におきまして、公団民営化の基本的枠組みの比較検討素案とともに、高速自動車国道の事業評価結果を提示しております。 その内容は、当市が関係する東北横断自動車道釜石秋田線、遠野・宮守間並びに宮守・東和間の2区間ともA、B、C、Dの4ランク中、最低のDランクとされております。さらに国土交通省では今月の25日に国会議員10名、国土交通大臣が指名する学識経験者10名以内をもって組織する国土開発幹線自動車道建設会議を開催し、新直轄方式で建設する区間の選定を行う予定であるとし、岩手県に対しまして両区間の整備の必要性、及び公団民営化による新会社方式と新直轄方式の両方の選択の照会を行っております。 この新直轄方式とは、建設が新会社の自主判断に委ねられる新会社方式による整備の補完措置として、必要な建設を行うため、国3、地方1の負担で整備するもので、対象となる路線は料金収入で管理費が賄えない路線など、新会社での整備、管理が難しいと見込まれる区間となっております。 また、新たに必要となる地方負担につきましては、道路特定財源の国と地方の配分割合の見直しなどにより生み出し、全体で約3兆円を目安として整備すると伺っております。岩手県では関係市町村への説明会や意見交換等を踏まえて、両区間の早期整備と地域活性化の実現に向け、国と県で建設費用を負担する新直轄方式での整備が望ましいと回答するとともに、12月15日には両区間の新直轄方式第1次指定に向けての提言活動を、国土交通省及び県選出国会議員に対して行っております。 当市においては、この12月15日の提言活動に関係市町村とともに参加し、両区間の新直轄方式採択を訴えてまいりました。しかしながら、公団民営化の基本的枠組みを含めた、今後の高速自動車国道の整備につきましては、不透明な部分が多いことから、今後も岩手県並びに関係団体と密接な情報交換及び意見交換を行い、両区間の早期整備に向けた一体の活動を展開してまいりたいと考えております。 次に、仙人峠道路が国道 283号と接続になる(仮称)釜石西インター以東の道路アクセスの安全対策についての御質問にお答えします。 仙人峠道路と国道 283号の接続部の交差点については、道路法に基づく道路構造に関する技術基準により、横断歩道の設置、右折レーンの設置、歩道の拡幅、道路照明の設置などの整備を図り、安全性の高い整備が行われると伺っております。なお、信号機の設置につきましては、設置者である公安委員会と協議を進めることと伺っております。 国道 283号接続部の周辺、(仮称)釜石西インター以東の道路現況は、曲線部、カーブのほか、市道、私道、事業所の出入り口などの接続部が多く、仙人峠道路の供用開始による大型車両の増加に対応する安全対策が必要なものと考えております。 現在、国道 283号の道路管理者である岩手県においては、平成7年度から大畑工区交通安全施設を継続整備しており、昨年度には坪内地区の歩道拡幅を行うなど、安全施設の整備を進めております。また、安全対策の一環として歩道の平坦性確保、側溝の老朽化対策などを行い、現況の道路施設の機能維持を図る施設整備を進めるとも伺っております。 今後、仙人峠道路の供用開始を見据えた接続部周辺と(仮称)釜石西インター以東の安全対策につきましては、道路管理者に対し、周辺環境へ配慮した安全施設の充実と早期整備を働きかけるとともに、地域住民に対しましては関係機関と連携を図りながら、交通安全の啓蒙活動を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願いいたします。 以上をもちまして答弁を終わります。 ○議長(平舘幸雄君) 先ほど申し上げた佐藤議員の産業政策について、市長答弁の各部長の考え方をただしております。自席で結構ですので、各部長の自席から答弁願います。 総務企画部長。 ◎総務企画部長(佐々木重雄君) お答えいたします。 企業、議会、行政の連携と、それから過去の歴史的事象を総括した上でのまちづくり、こういったことについて各部長からというお話ですので、お答えをしたいと思います。 これは現代社会の中で市民、企業、行政、これが協議型のまちづくりを進めることが必要な理由という中で、都市の構造、あるいは産業構造の転換によって、まちづくりに住民、あるいは民間企業が参加しているという動き、それから、今のまちづくりには雇用の創出、あるいは経済再生といった期待が込められているということから、どうしても民間の活力が必要だという、これが協議型のまちづくりの必要な理由だというのを何かでちょっと聞いたことがあります。このことはまさに議員が話されている、いわゆる三者の意思疎通による、こういったことによる協議型のまちづくりが進められるのではないかなというようなことをちょっと感じました。 それで、またこれまでの時代の流れを踏まえ上で、どのような行財政運営を行っていくのかという御質問だと思いますが、当市では昭和45年からこれまで四次にわたる総合計画といったものに基づいて行財政運営を行ってきたわけでございますが、やはり今後におけるまちづくりを考える上では、先ほど御質問の中にありました過去の歴史的な事象といったものを総括しながら、この総括した上でまちづくりを進めていくというのは大変重要なことであると思います。 やはり我々の仕事の基本というのは、私考えるに、当市の行財政運営の最高指針であります総合計画、これに基づいて、これらの実現を図っていくということがまず基本ではないかなと、こう考えます。こういった場合には、やはり現在の第五次のスクラムかまいし21プランの中に、この基本理念であります、さまざまな人がそれぞれ役割を分担して、みんなでスクラムを組んでまちづくりに取り組むといったことが、やはり総合計画を実現化していく上では大変重要なのかなと。こういったことからも、まさにこれを進めることが議員お話の三者によるそれぞれの立場から意思疎通が図られ、連携をするという意味にもつながるのではないかなというような考えを持っております。 以上です。 ○議長(平舘幸雄君) 民生部長。 ◎民生部長(小山士君) お答えします。 ただいまの総務企画部長が前段で申し上げました総合計画の話に尽きるわけでございますけれども、私も今までは当然地域の活性化、特に雇用の確保が大事であると、それはもう以前から認識しておりましたんですが、議員からも御提言ありましたように、行政と企業と議会が一体となって情報交換を行いながら、とり進めていくのが大事であると思っております。 特に、じゃこれからどのような形が大事なのかといいますと、民生部の考え方でございますけれども、総合計画の中でもすべての人に優しい快適なまちを掲げておりますので、健康づくりの充実とか、福祉サービスの充実に向けまして、まず総合保健福祉センターの整備とか、広域ごみ処理の建設に向けて、それがひいては雇用の確保につながればいいのかなと思っております。 以上でございます。 ○議長(平舘幸雄君) 経済部長。 ◎経済部長(佐野善次君) 私は昭和50年代の半ばから平成の初めまで税務収納の仕事を長くやっておりました。そういった意味ではいろんな市民の声とか、経済状況、そういったのを見てきたつもりでございます。そういった中で、みんなが税金を納められるような形になればいいなと、産業が振興して、みんな税金を納めていただいて、それをまた市民に還元すると、まちが元気になればいいなと、そう思ってきました。 あとは哲学的なものではないんですけれども、今、総務企画部長と民生部長が答弁したとおりでございます。私もその時代時代で策定される総合計画の着実な推進、これが必要だと思っています。 そういった意味で、今回つくられているスクラムかまいし21プランの中にもありますけれども、市民と企業と行政など、立場を異にする人が郷土釜石の発展のためにスクラムを組んで前進することによって、輝かしい21世紀を築くと、そういったことだと思います。いずれ個人プレーじゃなくて、みんながこのスクラムを組んで一歩でも二歩でも前に押し進んでいくと、そういった気構えが大事であると思っております。私もまだまだ今の総合計画、前期の方で積み残している、まだ検討しなければならない課題もたくさんありますので、最後まで頑張ってまいりたいと思っております。 ○議長(平舘幸雄君) 建設部長。 ◎建設部長(伊藤昭男君) お答えいたします。 最近も災害が多発しておりますが、当時自分は土木課におりまして、雨が降るたびに災害に見舞われ、災害復旧に奔走していたのを記憶しております。建設部長の立場でお答えいたしますが、当市の将来展望の実現のためには、まちづくりの基本目標の実現手段となる基幹的な都市基盤の整備、土地の効率的な利用が不可欠であると考えております。 特にも当地域の発展を考えた場合、交通網の整備充実は欠くことのできない基礎条件であると思います。かつてローマ帝国は道路網を整備することにより、繁栄の礎をつくりました。国家にとっても国土軸をどうつくり上げるかは大きな政策であり、道路網が整備された地域は社会経済活動が活発となっております。しかし、当地域はまだ整備途上で、十分な状況とは言えないと思います。 また最近財政状況が悪化する中、公共事業の実施、特にも道路建設が罪悪のようにも言われておりますが、道路は生活、経済、社会活動を支える最も基本的なインフラであると思います。重要なのは道路をコスト意識をもって効率的、効果的に整備することであると思います。その際は地域連携、生活の質、安全の向上、環境の視点を忘れず実施していきたいと思います。 以上です。 ○議長(平舘幸雄君) 佐藤一夫君。 ◆25番(佐藤一夫君) 私、これまで一般質問は釜石の再生のため、さらには活性化のためということで、政策論争をするというのが一般質問の趣旨だということから、産業のあり方やら、企業誘致、国家事業の導入など考え方を申し上げてきました。しかし、きょうはまちおこしという観点から、そうした建物、箱物論争ではなくて、市民のまちづくり、行政、議会含めてまちづくりするに当たり、何が必要なのかと、それは人心づくりではないかと、このように思って再質問したいと思います。 したがって、順序がちぐはぐだったり、あるいは多少脱線することもあるかと思いますが、よろしくお願いをいたします。 まず市長にお伺いをします。 市長答弁の中で企業との連携の問題、コミュニケーションの問題、これまでも十分とってまいったということ、今後もさらに強化してまいりたいと、こういう答弁をいただきましたが、私が提言をいたしましたスリーポジションのことについては、多少発言が私には納得いかなかったものですから、ましてや60数年民間会社において企業責任者として、また今回の市長選挙に当たりましては、民活を行政に活用するという大々的なスローガンを掲げてきた市長から、もう少しその辺の行政と市民、議会、産業界とコンセンサスをとるような議論のあり方というものについての所見を求めます。 ○議長(平舘幸雄君) 市長。 ◎市長(小沢和夫君) 2003年骨太方針が打ち出されました。その中で三位一体改革ということで、官から民へ、国から地方へと考え方のもとで、地方はみずから創意工夫して政策を決定し、自立を目指しなさいというふうなことでございます。ですからこそ、私はやはり行政と民間との適切な役割分担を果たしながら、我々のまちは私たちでつくっていくんだという市民の意識の醸成を図っていく必要があるだろうと思っております。 そういう中で、今佐藤議員さんから御質問ございましたスリーポジションについて、議会においてもやはり市政調査会というものをつくられておりますし、また議会の立場で、そして我々と一緒になって、企業とのコンセンサスを得ていく方策を考えてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(平舘幸雄君) 佐藤一夫君。 ◆25番(佐藤一夫君) 市政調査会など活用したいと、こういうことであります。無論これまでも市政調査会やら全員協議会などという場で当局の考え方、問題提起など受けてまいりました。しかし、年に数回のそういう会議の開き方で、私は意思疎通は十分にできるものだというふうには考えていません。もし少し密度を濃くすべきじゃないのかと。やはり物を語らなければ、発言しなければ、相手の考えはわからないわけですから。私はきょう各部長が発言を聞いて、多くの議員は、はあ部長という立場でこういう考え方を持って行政運営に当たっているのだなというふうに認識を新たにされた方があると思うんです。 なぜ私が各部長の考え方を聞いたかと申せば、今釜石で一番重要なのは各部長なんですよね。市長も選挙でかわります。助役さんも収入役さんも時期が限定されておる。ところが期限の限定されてないのは当局の幹部であります。無論定年が来れば退職されますが。そういう皆さんが国の政策というものについても十分キャッチできる。民間の企業の情報も入ると、また県の考え方もわかるというのは、釜石の行政の中で私は部長が最高だろうと。部長の皆さんが持つような情報は我々議員は到底持てません。したがって、部長の皆さんの考え方を聞いたわけです。 ただ、私は残念なのは、当局の姿勢について議会にも不満があるようですけれども、その不満は我々には見えない部分があるんですね。多分皆さんは、一生懸命おれたちは頑張っているんだというその気持ちがあると思います。ただ、頑張っているだけじゃだめなんですよ。その頑張っていることをどのように議会に反映をし、市民に知らせるかということをしなければ、これはひとり相撲ですよ。そういうことでありますので、私の言うスリーポジションなどは、まさにそういう行政と議会と業界がいろんなフリー討議をするということの意味はそういうことなんですね。 確かに企業サイドにもいい部分だけではないと思いますよ。かつて企業秘密を市内にばらまいて、企業は大変立腹された経過もありますから。企業と行政、白紙撤回の問題、それから鉱山の地下研の問題を含めて、私はぎくしゃくしたものがいまだにあると。これを払拭しなければ、釜石の再生は氷の上でダンスをするようなものではないかというふうに思うから、聞いたわけです。 したがって、今後はぜひこのスリーポジションの活用、方法はいろいろあると思います。無論発言にも話し方にも注文はあると思いますが、いずれぜひこれは実現してほしいと。企業内の遊休地を開放せいなどという意見も考え方も、企業の考えていることがわからないわけですから、私たちが考えていることを言いたいと思って言う場所がない。したがって、そういう発言になると思うんです。したがって、多くの議員が企業や行政にフリー討議する場所というのは、くどいようですけれども、ぜひお願いをしたいと、このように思います。 それから、釜石は産業構造が転換する際に、釜石だけですよ、東北・北海道を含めて一市町村の中でダブルの政策転換がなされたというのは。鉱山という産業構造、それから鉄鋼業という産業構造、他は先ほど演壇でも申し上げたんですが、それなりに以後の対応をなされて、それなりの活性化を行っているわけですが、釜石は鉱山にかかわること、それから製鐵所にかかわることについては、確かに新たな企業誘致なり事業おこしもできておりますが、私は抜本的なかつての製鉄業を思うときに、まだまだその力量はあるものだと、このように思っておりますから、申し上げたんですが、今の釜石を思うときに、今言いましたように、この人心、市民の心をどうするかということについて、当局は21世紀プランの中で市民を中心とする取り組みを考えたいと、このように申されておりますけれども、具体的にはどのように市民対策をなされようとしておるのか。私は釜石を表現するときに、市長にお尋ねしますけれども、釜石…一言で表現するなら、どういう表現をされますか、一言。 ○議長(平舘幸雄君) 市長。 ◎市長(小沢和夫君) 釜石を一言で表現するというのは非常に難しいと思っております。 すぐ海の幸、あるいは山の幸もありますし、風光明媚だということもございますし、またものづくりの文化が息づいているということもございます。いろんな意味で一言で申し上げることはなかなか難しいと思います。 ですから、私は再三にわたって答弁申し上げていますことは、釜石のポテンシャルをいかに引き出して、そして産業に結びつけていくかということを図りながら、雇用対策を図ってまいりたいと思っているところでございます。 ○議長(平舘幸雄君) 佐藤一夫君。 ◆25番(佐藤一夫君) 釜石の市民の方に釜石をどういうふうに判断します、どう考えますかと聞けば、まず働く場所がないと、物価が高いと、サービスが悪いと。また花見や忘年会はよそに行ってやると、結婚式を含めて。日用物資を市外、郊外に求めると。こういうことでありまして、それぞれが皆ばらばらではないのかと。事業についても元請は釜石の業者がやるけれども、請負、孫になりますと市外から連れてきて仕事をやっていると。皆それぞれでばらばらになっているのが釜石じゃないかという指摘を受けるわけです。 したがって、釜石厳しいですけれども、やはり子々孫々に釜石何とかしたいという気持ちを皆さん持っているわけですから、市長にリーダーシップを発揮してほしいのは、少々のことは我慢しようと、先ほど他の議員が発言しておりましたように、少々のことは我慢してお互いに助け合い、我慢し合い、そしてお互いに生き延びることを考えようと、こうしたまさに釜石を愛するがゆえのスローガンをつくって、それの先頭に立って、市長に私は市長職務を務めてほしいと。そうすることがひいてはスリーポジションの拡大にもなるし、市民一人一人の釜石再生の精神の底上げにもつながるんじゃないのかと、このように思うわけですけれども、当局、どなたでも結構ですから、私のこの考えに対する御意見をお尋ねしたいと思います。 ○議長(平舘幸雄君) どなたですか。市長。 ◎市長(小沢和夫君) まず、私は先般の部課長会議でマネジメントのお話をしました。それは事業経営や経営管理といったいわゆるマネジメントについて、しっかりと身につけなさいということをお話し申し上げました。それはどういうことかというと、今企業は外部環境の変化に対応できる内部環境を確立させて、そうしないと企業というのは生き残っていけないんです。ですから、スピード感を出していかないと企業は生き延びれないということでございます。ですから、どういう時代背景あるのか、どういう外部環境になっているのか、そういうことが企業としては問われておりますから、そういう部課長連中にはマネジメントを考えて施策を展開しなさいと。 ですから、今トップダウンの話がございました。やはりトップダウンとボトムアップとが一緒に組み合わせていかなければ、この難局は乗り切れないのではないかと。ある程度ボトムアップも必要ですし、ある程度のトップダウンも必要だと、そうして組み合わせていくと。そういうことが今後の釜石の発展策につながっていくのではないかと。ですから、私は幹部職員にはマネジメントのお話をして、外部環境をよく見ろと、そして変化に対応できるように施策を立案しようという話をいたしております。 そういう関係上、今佐藤議員からおっしゃられましたリーダーシップとボトムアップというものを組み合わせながら、行政運営をしてまいりたいと思っていますので、御了承願いたいと思います。 ○議長(平舘幸雄君) 佐藤一夫君。 ◆25番(佐藤一夫君) 釜石は53年に合理化を実施され、10年ちょっと合理化問題が尾を引いたわけですけれども、この時期に釜石地元出身の国会議員を失いました。私は釜石はこれでだめだなというふうに率直に思いました。党派はいずれにしても、釜石の歴史、現状、問題、課題を十分熟知をしている地元の議員を国会に送ることができないで、釜石の再生議論というのはあり得るのかなという自分勝手な判断をしました。市民の中にも議会の中にも政治は与党でなければならないと、こういう声を聞くことがありますが、事釜石に関して私は政治の大きな釜石再生のための、活性化のための、再建のための助成策や援護策というものは、具体的には感じてないんですよ。むしろ沿線住民が反対をした鉄道が民営化にされたぐらいなもので、当時は岩手県から出ておった総理が、岩手県出身でありながらも、釜石のために大きな期待を持たれるような、示唆なり対応が、私は受けられなかったのは残念だというふうに思っておりまして、釜石というのは言うまでもなく、戦前は戦争のために国に貢献をし、戦後は復興のために努力をした釜石が、国の産業構造の転換ということで、ただ単に現状を見るときに余りにも政治のむなしさというのを感ずるわけです。 それは愚痴を言ってもしようがありませんけれども、いずれやっぱり私たちは我々で釜石を再生しなければなりませんから、活性化をしなければなりませんから、ぜひこの市長の新たな決意のもとに、先ほど部長に申し上げましたが、部長が最高のポジションにいるわけですから、やっぱり議会と十分コンセンサスを図りながら、議会対策として議会に顔を出すだけじゃなくて、我々を呼び出して、こういう状況もあるよと、こういう問題もあるよと。 11月の末に杜の家のセンターで市政懇談会がありました。私は感動しましたね。いまだかつてない市政懇談会でした。今までは地域の問題を聞く苦情処理でしたよ。しかし、今回は釜石の置かれている現状がこうであって、こういうテーマがありますよと。こういうテーマを解決することによって釜石はこうなりますと、写真を見せながら、各担当部長が真剣になって説明しているのを見て、これならば市民も理解するし、納得もすると。当局のやる姿勢を評価するというふうに感動しましたが、ぜひそういう積極的な取り組みをお願いしたいと。特にも行政に長くいると、行政のしがらみというものが体にしみこんで、なかなか我々民間から見れば、民間の発想に立てとは言うけれども、気持ちは立っても頭がついていかなかったり、行動が伴わなかったり、いろいろ問題、課題はあると思いますが、釜石の再生にかかわっているのは当局の幹部だということを肝に銘じて頑張ってほしいものだと、このように思います。 時間も時間ですから、再質問のもう一つは教育問題です。 教育問題でお尋ねしますが、学校が統廃合されました。そして3学期から新しい学校がスタートするわけです。先日も学校にお邪魔をして、いろんな設備、安全対策を見て、こんなすばらしい学校があるのかなというぐらい感心をしてきました。機械的な、そして組織的な安全対策は完全だと思います。 問題は家から学校に来るまでの登校、下校、この対策をどうするかと。ただ単に中妻の駐在所だけでは、交通安全指導員だけでは私は問題があるんじゃないかと。例えば掲示板を何カ所かに設けて、地域住民の協力を得るとか、ある民家には駆け込み寺みたいなものを設定をして、問題があったらすぐ来いと、寄れと、顔出せというような、そういうシステムなどを何カ所かに市内につくっておくことが、そういう問題を起こすような人が、釜石という地域は大変なしっかりした地域だというふうに認識をされたり評価をして、事件につながらないということもあるんではないのかと。ベルを持ったから、ガラス張りにしたからだけでは、私は防げないものがありますから、それは下校、登校途中のことでありますので、そうしたことについてPTAを含めて、安全対策をぜひお願いしたいということを思うわけですけれども、教育行政の考え方についてお伺いします。 ○議長(平舘幸雄君) 教育長。2分ですから、簡潔に。 ◎教育長(塚本希之君) お答えいたします。 子供たちの登下校の安全にかかわりましては、今子ども110 番というものを警察の方ではつくっておりますので、それをさらに周知徹底すると同時に、双葉小学校につきましては、特に地域連携施設もありまして、町内会との皆さんとの交流もありますので、そういう中で、自分たちの地域の子供たちに対していろいろ目を光らせて…注意してもらって、そして気になることにつきましてはいろいろ情報をもらえるようなそういった体制等につきましては、これから努力していきたいと思っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(平舘幸雄君) 25番佐藤一夫君の一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(平舘幸雄君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。                午後5時19分散会                          釜石市議会議長 平舘幸雄                          釜石市議会議員 新里博政                          釜石市議会議員 佐々木 透...